社会保険(全61問中16問目)

No.16

労働者災害補償保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2022年1月試験 問3
  1. 療養開始後1年6カ月を経過した日以後において、傷病が治癒せず、当該傷病による障害の程度が所定の傷病等級の第1級から第3級に該当する場合には、傷病補償年金の支給に代えて、休業補償給付が支給される。
  2. 同一の事由により、障害補償年金と障害基礎年金および障害厚生年金が支給される場合、障害補償年金は全額支給され、障害基礎年金および障害厚生年金は減額調整される。
  3. 障害等級第6級の障害補償年金を受ける労働者が、自然経過による悪化(新たな疾病や疾病の再発によらない)で、新たに障害等級第5級に該当するに至った場合、障害等級第5級に応ずる障害補償年金が支給される。
  4. 遺族補償年金の受給権者は、給付基礎日額の153日分に相当する額を限度として、遺族補償年金前払一時金の支給を請求することができる。

正解 3

問題難易度
肢116.9%
肢215.2%
肢349.4%
肢418.5%

解説

  1. 不適切。傷病補償年金は、業務上の負傷や疾病によって療養している労働者が療養の開始後1年6カ月を経過しても治らない場合で、傷病等級第1級から第3級に該当するときに支給されます(労災保険法12条3項)。このときまで支給されていた休業補償給付はその後支給されません(労災保険法18条2項)。
    業務上の負傷または疾病によって療養している労働者について、当該傷病が療養の開始後1年を経過した日において治っておらず、当該傷病による障害の程度が所定の傷病等級に該当する場合は、傷病等級に応じた傷病補償年金が支給される。2019.5-2-2
  2. 不適切。同一の事由により、障害補償年金と障害基礎年金および障害厚生年金が支給される場合には、障害基礎年金および障害厚生年金は全額支給され、障害補償年金が減額調整されます。なお、支給事由が異なる場合は併給調整の対象にならないため労災保険の給付は減額されません。
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  3. [適切]。障害補償年金を受ける者の障害の程度が自然経過により変わった場合には、新たに該当することになった障害等級に応ずる障害補償給付が支給されます(労災保険法15条の2)。
  4. 不適切。遺族(補償)年金前払一時金とは、遺族(補償)年金の受給権を有する遺族が、遺族(補償)年金の請求と同時に請求することにより、年金の前払いとしてまとまった金額を一時金で受け取ることができる制度です。支給額は、給付基礎日額の200日分、400日分、600日分、800日分、1,000日分から請求者が選びます。"153日分"は遺族が1人であるときの遺族(補償)年金の年額です。
したがって適切な記述は[3]です。