社会保険(全61問中17問目)

No.17

雇用保険の基本手当に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれの場合も所定の手続はなされているものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
2022年1月試験 問4
  1. 基本手当を受給しながら求職活動をしていたAさん(28歳)は、2023年6月1日に再就職し、再就職手当を受給した。しかし、再就職先の会社の業務になじめず、2023年11月30日に自己都合退職した。この場合、Aさんが2カ月間の給付制限経過後に受給することができる基本手当の日数は、最大で90日である。
  2. Bさん(34歳)は、大学卒業後に入社し、11年8カ月勤務した会社を2023年11月30日に自己都合退職した。この場合、Bさんが2カ月間の給付制限経過後に受給することができる基本手当の日数は、最大で120日である。
  3. Cさん(50歳)は、25年間勤務した会社が経営難から倒産し、2023年11月30日に離職した。この場合、特定受給資格者に該当するCさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で330日である。
  4. Dさん(60歳)は、会社の継続雇用制度の利用を希望せず、38年8カ月勤務した会社を2023年11月30日に定年退職した。この場合、Dさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で150日である。

正解 1

問題難易度
肢164.3%
肢28.8%
肢312.0%
肢414.9%

解説

  1. [不適切]。結論から言うと、Aさんは受給していた基本手当の受給資格期間内であれば、その所定給付日数のうち再就職手当を含む受給済分の残り日数を受給することができます。再就職している間に受給資格期間が過ぎていれば基本手当を受給することはできません。
    雇用保険の基本手当の受給資格は、過去2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上あることです。しかし、離職後に一旦受給資格を得た場合には、それ以前の被保険者期間はカウントすることができません。よって、再就職後の6カ月しか被保険者期間がないAさんは受給資格を得ることができません。しかし、基本手当の受給資格期間内に再就職し離職した場合、基本手当の残り日数が残っていれば受給資格期間内に限りそれを受給することができます。また再就職手当を受給したときは、それを基本手当日額で除した日数分の基本手当が支給されたとみなされるため、Aさんは所定給付日数のうち受給済の基本手当日数と再就職手当の分を差し引いた残り日数を受給できることになります。
    2022年4月1日に再就職し、再就職手当を受給したAさん(28歳)は、欠勤せずに働いていたが、2023年11月末に自己都合退職した。この場合、Aさんは、再就職手当を受給してから2年が経過していないため、基本手当を受給することはできない。2016.1-2-1
    基本手当を受給しながら求職活動をしていたBさん(32歳)は、2023年6月1日に再就職し、再就職手当を受給した。しかし、会社の業務になじめず、2023年11月30日に自己都合退職した。この場合、Bさんが待期期間に加え、3カ月間の給付制限経過後に受給することができる基本手当の日数は、最大で90日である。2015.1-2-2
    基本手当を受給しながら求職活動をしていたAさん(28歳)は、2022年4月1日に再就職したが、会社の業務になじめず、2023年8月末で自己都合退職した。この場合、Aさんは基本手当を受給することができない。2014.9-3-1
  2. 適切。自己都合退職者や定年退職者等の一般離職者の所定給付日数は、年齢に関係なく被保険者であった期間(算定基礎期間)のみによって決まります。10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日です(雇用保険法22条1項)。Bさんの勤務年数は11年8カ月なので、所定給付日数は120日です。
    Aさん(32歳)は、9年間勤務した会社を2023年4月30日に自己都合退職した。Aさんの基本手当の所定給付日数は120日である。2023.1-3-1
    Cさん(50歳)は、25年間勤務した会社が経営難から倒産し、2023年11月30日に離職した。この場合、特定受給資格者に該当するCさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で330日である。2022.1-4-3
    Dさん(60歳)は、会社の継続雇用制度の利用を希望せず、38年8カ月勤務した会社を2023年11月30日に定年退職した。この場合、Dさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で150日である。2022.1-4-4
    Dさん(62歳)は、44年間勤務した会社を2023年3月末に自己都合退職した。この場合、長期加入者の特例により、Dさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で240日である。2016.1-2-4
    Cさん(52歳)は、30年間勤務した会社が経営難から廃業に追い込まれ、2023年12月末で解雇された。この場合、特定受給資格者に該当するCさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で240日である。2015.1-2-3
  3. 適切。解雇や倒産等により離職した者は、特定受給資格者に該当します。Cさんは50歳で勤続25年なので、所定給付日数は330日になります。
    Aさん(32歳)は、9年間勤務した会社を2023年4月30日に自己都合退職した。Aさんの基本手当の所定給付日数は120日である。2023.1-3-1
    Bさん(34歳)は、大学卒業後に入社し、11年8カ月勤務した会社を2023年11月30日に自己都合退職した。この場合、Bさんが2カ月間の給付制限経過後に受給することができる基本手当の日数は、最大で120日である。2022.1-4-2
    Dさん(60歳)は、会社の継続雇用制度の利用を希望せず、38年8カ月勤務した会社を2023年11月30日に定年退職した。この場合、Dさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で150日である。2022.1-4-4
    Dさん(62歳)は、44年間勤務した会社を2023年3月末に自己都合退職した。この場合、長期加入者の特例により、Dさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で240日である。2016.1-2-4
    Cさん(52歳)は、30年間勤務した会社が経営難から廃業に追い込まれ、2023年12月末で解雇された。この場合、特定受給資格者に該当するCさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で240日である。2015.1-2-3
  4. 適切。自己都合退職者や定年退職者等の一般離職者の所定給付日数は、年齢に関係なく被保険者であった期間(算定基礎期間)のみによって決まります。10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日です(雇用保険法22条1項)。Dさんの勤務年数は38年8カ月なので、所定給付日数は150日です。
    Aさん(32歳)は、9年間勤務した会社を2023年4月30日に自己都合退職した。Aさんの基本手当の所定給付日数は120日である。2023.1-3-1
    Bさん(34歳)は、大学卒業後に入社し、11年8カ月勤務した会社を2023年11月30日に自己都合退職した。この場合、Bさんが2カ月間の給付制限経過後に受給することができる基本手当の日数は、最大で120日である。2022.1-4-2
    Cさん(50歳)は、25年間勤務した会社が経営難から倒産し、2023年11月30日に離職した。この場合、特定受給資格者に該当するCさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で330日である。2022.1-4-3
    Dさん(62歳)は、44年間勤務した会社を2023年3月末に自己都合退職した。この場合、長期加入者の特例により、Dさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で240日である。2016.1-2-4
    Cさん(52歳)は、30年間勤務した会社が経営難から廃業に追い込まれ、2023年12月末で解雇された。この場合、特定受給資格者に該当するCさんが受給することができる基本手当の日数は、最大で240日である。2015.1-2-3
したがって不適切な記述は[1]です。
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