社会保険(全61問中54問目)

No.54

雇用保険の失業等給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2015年9月試験 問4
  1. 特定受給資格者以外の受給資格者(就職困難者および特定理由離職者を除く)に係る基本手当の所定給付日数は、離職の日まで雇用保険の一般被保険者として雇用されていた期間と離職の日における年齢によって異なっている。
  2. 就業促進定着手当は、再就職手当の支給を受けた者が、その支給に係る事業所に6カ月以上雇用され、かつ、その6カ月間に支払われた賃金総額を基に算出した賃金日額(みなし賃金日額)が再就職手当の算定基礎賃金日額を下回る場合に支給される。
  3. 教育訓練給付のうち、中長期的なキャリア形成に資する専門的かつ実践的な教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受けて修了した者を対象とする専門実践教育訓練給付金の額は、10万円を上限として教育訓練費用の20%相当額である。
  4. 雇用保険の一般被保険者であった期間が3年以上ある者が60歳以後も継続して雇用され、当該被保険者に支払われた賃金の額が60歳到達時の賃金月額の75%未満である場合には、当該被保険者が65歳に達する日の属する月まで高年齢雇用継続基本給付金が支給される。

正解 2

問題難易度
肢113.1%
肢244.2%
肢322.3%
肢420.4%

解説

  1. 不適切。年齢は関係ありません。一般の離職者に係る雇用保険の基本手当日数は、被保険者期間のみによって決まり、10年未満の場合は90日、10年以上20年未満の場合は120日、20年以上の場合は150日となっています(雇用保険法22項1項)。
  2. [適切]。就業促進定着手当は、再就職手当を受けた再就職した者が再就職先で6カ月以上雇用され、再就職先での賃金が離職前の賃金を下回った場合に、基本手当の支給残日数の40%を上限として6カ月分の賃金低下相当額を支給するものです(雇用保険法56条の3第3項2号、同法規則82条の2、82条の3)。
    就業促進定着手当は、再就職手当の支給に係る同一の事業主の適用事業にその職業に就いた日から引き続いて6カ月以上雇用される者であって、そのみなし賃金日額が算定基礎賃金日額を下回った者が支給対象となる。2021.1-2-3
  3. 不適切。10万円・20%は一般教育訓練給付金の上限です。専門実践教育訓練給付金の額は、年間40万円を上限として教育訓練費用の50%相当額です。訓練期間は3年が上限なので最高120万円となります(雇用保険法規則101条の2の8)。
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  4. 不適切。3年以上ではありません。高年齢雇用継続基本給付金は、60歳から65歳到達月までに支払われる各月の賃金が60歳到達日(または受給資格を満たした日)の賃金月額と比較して75%未満に低下している場合に、各月ごと賃金の15%を上限として支給されます。本給付金を受け取るためには、原則として60歳到達時点で一般被保険者としてのみなし算定基礎期間(被保険者であった期間)が5年以上なければなりません(雇用保険法61条1項1号)。
    60歳以後も継続して雇用されている被保険者に対して支給対象月に支払われた賃金額が60歳到達時の賃金月額の61%相当額を下回る場合、高年齢雇用継続基本給付金の額は、原則として、60歳到達時の賃金月額に15%を乗じて得た額となる。2022.5-4-1
    60歳以後も継続して雇用されている被保険者に対して支給対象月に支払われた賃金の額が、60歳到達時の賃金月額の50%相当額である場合、高年齢雇用継続基本給付金の額は、原則として、60歳到達時の賃金月額に100分の15を乗じて得た額となる。2019.9-3-1
    雇用保険の一般被保険者であった期間が5年以上ある者が60歳以後も継続して雇用され、当該被保険者に対して支給対象月に支払われた賃金の額が38万円で、かつ、60歳到達時の賃金月額の60%相当額である場合には、当該支給対象月の高年齢雇用継続基本給付金の支給額は5万7,000円である。2016.9-3-4
したがって適切な記述は[2]です。