公的年金(全47問中5問目)

No.5

厚生年金保険の被保険者に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2023年5月試験 問4
  1. 常時従業員を使用する法人事業所は、業種にかかわらず、厚生年金保険の適用事業所となり、原則として、その法人の70歳未満の代表者は被保険者となる。
  2. 常時5人以上の従業員を使用する法定業種の個人事業所は、厚生年金保険の適用事業所となり、原則として、その個人事業所の70歳未満の事業主は被保険者となる。
  3. 2カ月以内の期間を定めて適用事業所に使用される者であって、その定めた期間を超えて使用されることが見込まれないものは被保険者とならないが、定めた期間を超えて引き続き使用されることが見込まれるようになった場合、当初使用された日に遡って被保険者となる。
  4. 特定適用事業所以外の適用事業所において、1週間の所定労働時間が同一の適用事業所に使用される通常の労働者の4分の3未満であっても1カ月の所定労働日数が4分の3以上ある労働者は被保険者となる。

正解 1

問題難易度
肢135.7%
肢218.1%
肢319.7%
肢426.5%

解説

  1. [適切]。常時従業員を使用する法人事業所は、業種を問わず厚生年金保険の適用事業所となります。そして、適用事業所に使用される70歳未満の者は厚生年金保険の被保険者となります。法文では「使用される者」という表現ですが、労務の対価として法人から報酬を得ているのであれば、法人の代表者も被保険者に含まれます。
  2. 不適切。農林漁業、サービス業などを除き、常時5人以上の従業員を使用する法定業種の個人事業所は、厚生年金保険の適用事業所となります。ただし、事業所の個人事業主は厚生年金保険には加入することができないため、国民年金保険に加入することになります。
  3. 不適切。❶日雇い労働者、❷2カ月以内の期間を定めて使用される者、❸4カ月以内の季節的労働者、❹6か月以内の臨時的事業の事業所に使用される者は、原則として厚生年金保険の適用が除外されます。ただし、❷で2カ月以内の雇用期間であったとしても、就業規則や雇用契約書等に契約更新される旨が明示されている場合や、同一事業所で同様の雇用契約に基づく雇用者の契約を更新した実績がある場合など、その定めた期間を超えて使用されることが見込まれる者は、上記の適用除外に当たらず被保険者となるように法改正されています(2022年10月~)。
    雇用契約当初から更新が見込まれる状況だった場合には、使用され始めたとき遡って被保険者となりますが、本肢のように後発的に引き続き使用されることが見込まれることになった場合には、その見込まれることとなった日に被保険者資格を取得することになります。
  4. 不適切。パートタイマー・アルバイト等の短期労働者であっても、1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上である者は、厚生年金保険の被保険者となります。どちらも4分の3以上である必要があるので、週の所定労働時間が4分の3未満の場合は基本的に被保険者となりません。
したがって適切な記述は[1]です。