企業年金・個人年金等(全31問中18問目)

No.18

小規模企業共済制度および中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2018年9月試験 問7
  1. 小規模企業共済制度の加入者が、65歳以上で、掛金納付月数が180カ月以上ある場合、所定の手続により老齢給付として共済金を受け取ることができ、共済金の額が300万円以上であるときは、共済金の受取方法として分割受取りを選択することができる。
  2. 中小企業倒産防止共済制度の掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲で5,000円刻みで選択することができ、掛金総額が800万円に達するまで積み立てることができる。
  3. 中小企業倒産防止共済制度の加入者が、取引先事業者が倒産したことにより共済金の貸付を受ける場合、その貸付は無利子であり、担保や保証人の保証の提供は不要である。
  4. 個人事業主が小規模企業共済制度および中小企業倒産防止共済制度に加入した場合、事業所得の金額の計算上、いずれの掛金も必要経費に算入することができる。

正解 4

問題難易度
肢116.7%
肢215.2%
肢317.1%
肢451.0%

解説

  1. 適切。小規模企業共済の共済金は、一括受取、分割受取、一括・分割併用受取を選択できます。分割受取を選択する際には、以下の要件すべてを満たす必要があります。
    1. 共済金の区分が共済金A(廃業、死亡、傷病による退任)または共済金B(老齢給付)であること
    2. 請求事由が共済契約者の死亡でないこと
    3. 請求事由が発生した日に60歳以上であること
    4. 共済金の額が300万円以上であること
    65歳以上で、掛金納付月数が180カ月以上ある場合には老齢給付として共済金Bが支払われます。共済金の額が300万円以上ならば分割受取りが可能です(年6回払いで10年または15年)。ちなみに一括・分割併用を選択するには、上記の条件に加えて一時金の額が30万円以上であることが必要です。
  2. 適切。中小企業倒産防止共済の掛金は、月々5,000円から20万円の間で任意に選択可能です。掛金を損金または必要経費に算入しながら、掛金総額が800万円になるまで積み立てることができます。
    小規模企業共済制度の掛金月額は、1,000円から8万8,000円までの範囲内で、1,000円単位で選択することができ、掛金の払込方法は、月払い、半年払い、年払いから選択することができる。2015.9-6-1
  3. 適切。中小企業倒産防止共済を掛けておくと取引先が倒産等した際に、「回収困難となった売掛金債権等の額」または「掛金総額の10倍」のいずれか少ない方を限度として無担保・無保証人・無利子で借り入れることができます。
  4. [不適切]。中小企業倒産防止共済制度は事業所単位で掛金を支払い、事業所として共済金等を受け取るので事業所得上の必要経費になります。一方、小規模企業共済制度は加入者個人単位で掛金を支払い、個人が共済金等を受け取るので小規模企業共済等掛金控除として所得から控除されます。
したがって不適切な記述は[4]です。