企業年金・個人年金等(全31問中6問目)

No.6

確定給付企業年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2022年9月試験 問6
  1. 私立学校教職員共済制度の加入者(第4号厚生年金被保険者)は、確定給付企業年金の加入者となることができない。
  2. 確定給付企業年金の加入者は、実施事業所に使用されるすべての厚生年金保険の被保険者であり、一部の従業員を加入者から除外することはできない。
  3. 確定給付企業年金は、規約の定めと加入者の同意があれば、掛金総額の2分の1を超えない範囲内で加入者が掛金を負担することができる。
  4. 確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。

正解 3

問題難易度
肢110.8%
肢226.4%
肢352.7%
肢410.1%

解説

  1. 不適切。第4号厚生年金被保険者も、確定給付企業年金の加入者となることができるので誤りです。
    確定給付企業年金は、厚生年金適用事業所の事業主が労使で合意した年金規約に基づいて、信託会社や生命保険会社との契約または基金等の設立により年金資産を運用し、規約で定めた額の老齢給付金と脱退一時金(規約で定めれば障害給付金と遺族給付金も)を労働者に対して支給する制度です。
    厚生年金被保険者は、第2号被保険者(国家公務員)、第3号被保険者(地方公務員)、第4号被保険者(私学教員等)、左記以外の第1号被保険者に分かれますが、確定給付企業年金の対象となるのは第1号被保険者と第4号被保険者のみです(DB法2条3項)。
  2. 不適切。確定給付企業年金の実施事業所に使用される厚生年金保険被保険者は、原則として加入者となりますが、加入者となることについて規約で一定の資格を定めることにより、加入者の範囲を限定することができます(DB法25条2項)。
    確定給付企業年金の加入者は、原則として、実施事業所に使用される厚生年金保険の被保険者であるが、特定の者に不当に差別的な取扱いでなければ、規約において、職種、勤続期間や年齢等により、加入者となることについて一定の資格を定めることができる。2019.1-5-1
  3. [適切]。確定給付企業年金の掛金は、原則として事業主が拠出しますが、規約の定めと加入者本人の同意を条件として、加入者本人が掛金の総額の2分の1の範囲内で掛金を負担することができます(DB法令35条)。なお、加入者本人が負担した掛金は生命保険料控除の対象となります。
    確定給付企業年金の掛金は、規約の定めと加入者本人の同意があれば、加入者本人がその一部を負担することができ、加入者本人が負担した掛金は生命保険料控除の対象となる。2019.1-5-2
  4. 不適切。確定給付企業年金の老齢給付金は、以下のいずれかの要件を満たしたときに支給する者でなければなりません(DB法36条2項・3項)。
    • 60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき
    • 50歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したとき
    退職で支給される老齢給付金の年齢要件は50歳以上としなければなりません。本肢は「40歳以上」としているので誤りです。
    確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。2021.5-6-2
    確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上70歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。2019.1-5-4
    確定給付企業年金の老齢給付金は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき、または40歳以上60歳未満の規約で定める年齢に達した日以後に退職したときに支給が開始される。2016.9-6-3
したがって適切な記述は[3]です。