年金と税金(全7問中6問目)

No.6

公的年金等に係る所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、納税者は居住者であるものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
2019年1月試験 問6
  1. 納税者と生計を一にしている配偶者に支給される公的年金から特別徴収された介護保険料は、納税者の社会保険料控除の対象とするか、納税者の配偶者の社会保険料控除の対象とするかのいずれかを選択することができる。
  2. 2年分の国民年金保険料を前納した納税者は、納めた全額をその支払った年分の社会保険料控除の対象とするか、各年分の保険料に相当する額を各年分の社会保険料控除の対象とするかのいずれかを選択することができる。
  3. 公的年金等に係る雑所得を有する納税者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下である者が、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、原則として、所得税の確定申告書を提出する必要はない。
  4. 老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権者が死亡し、その者に支給すべき年金給付で死亡後に支給期の到来する年金を相続人が受け取った場合、相続人が受け取った当該未支給年金は、当該相続人の一時所得に該当する。

正解 1

問題難易度
肢163.3%
肢211.8%
肢35.3%
肢419.6%

解説

  1. [不適切]。社会保険料は納税者が支払ったことを要件とするので、配偶者の年金から特別徴収された(配偶者が支払った)介護保険料は、納税者の社会保険料控除の対象とはできません。
  2. 適切。前納制度に基づき翌年以降分の国民年金保険料を前納した場合、納めた全額をその支払った年分の社会保険料控除の対象とするか、各年分の保険料に相当する額を各年分の対象とするか、いずれかを選択することができます。
    2年分の国民年金の保険料を前納した納税者は、確定申告等により、納めた全額をその支払った年分の社会保険料控除の対象とすることができる。2021.9-7-1
  3. 適切。公的年金等に係る雑所得を有する納税者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合は、原則、所得税の確定申告書を提出する必要はありません。
    公的年金等に係る雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、原則として確定申告の必要はない。2023.1-7-3
    公的年金等に係る雑所得を有する納税者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下である者が、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、原則として、所得税の確定申告書を提出する必要はない。2021.9-7-3
    公的年金等の収入金額が300万円を超える場合は、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であっても、所得税の確定申告書を提出しなければならない。2016.1-5-3
  4. 適切。年金を受け取るべき受給権者が死亡し、当該相続人が未支給年金請求権に基づき年金を請求し受け取った場合、相続人の自己の固有の権利として請求したとみなされるため、相続税の課税対象ではなく一時所得として所得税の課税対象となります。
    老齢基礎年金の受給権者が死亡し、その者に支給すべき年金給付で死亡後に支給期の到来する年金を、生計を同じくしていた受給権者の子が受け取った場合、子が受け取った当該未支給年金は、一時所得として課税の対象となる。2022.1-7-4
    老齢基礎年金の受給権者が死亡し、その者に支給すべき年金給付で死亡後に支給期の到来する年金を受給権者の子が受け取った場合、その者が受け取った当該未支給年金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となる。2021.9-7-4
    老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権者が死亡し、その死亡した者に支給すべき年金給付で死亡後に支給期の到来する年金を相続人が受け取った場合、相続人が受け取った当該未支給年金は、相続税の課税対象となる。2021.5-7-4
したがって不適切な記述は[1]です。