保険制度全般(全33問中6問目)

No.6

保険法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2023年1月試験 問9
  1. 保険契約者の配偶者を被保険者とする終身保険について、保険契約を締結する場合や契約締結後に保険金受取人を変更する場合、当該配偶者の同意がなければ、その効力は生じない。
  2. 損害保険の契約締結後に保険価額が著しく減少して保険金額を下回った場合、保険契約者は、保険者に対して、契約締結時に遡って保険金額および保険料の減額を請求することができる。
  3. 損害保険契約における保険者は、保険事故による損害が生じた場合、当該損害に係る保険の目的物が当該損害の発生後に保険事故ではない理由により滅失したときであっても、当該損害をてん補しなければならない。
  4. 保険契約者または被保険者の告知義務違反があった場合、保険者の保険契約の解除権は、保険者が解除の原因があることを知った時から1カ月間行使しないとき、または保険契約の締結の時から5年を経過したときに消滅する。

正解 2

問題難易度
肢110.3%
肢238.7%
肢325.2%
肢425.8%

解説

  1. 適切。死亡保険契約の保険金受取人の変更は、不正な受取りを防ぐ観点から、被保険者の同意がなければその効力は生じません(保険法45条)。
    保険契約者の配偶者を被保険者とする終身保険について、その保険契約を締結する場合や契約締結後に保険金受取人を変更する場合、当該配偶者の同意がなければ、その効力は生じない。2019.9-10-1
  2. [不適切]。損害保険契約の締結後に保険価額が著しく減少し超過保険の状態になった場合、保険契約者は、保険者に対し、将来に向かって保険金額と保険料の減額を請求することができます(保険法10条)。遡及して減額を求めることはできないので本肢は誤りです。
    損害保険の契約締結時において保険金額が保険価額を超過した部分についての保険契約は無効であるが、契約締結後に保険価額が減少して保険金額を下回った場合、保険契約者は、保険者に対し、保険金額および保険料の減額を請求することができる。2019.9-10-2
  3. 適切。保険事故により保険の目的物の一部に損害が発生したときは、その後に保険対象外の事由で目的物全部が滅失した場合でも、当該損害をてん補しなければなりません(保険法15条)。
    損害保険契約における保険者は、保険事故による損害が生じた場合、当該損害に係る保険の目的物が当該損害の発生後に保険事故によらずに滅失したときであっても、当該損害をてん補しなければならない。2019.9-10-3
  4. 適切。保険契約者または被保険者に告知義務違反があった場合、保険会社はそれを知った時から1カ月、または契約締結から5年のいずれか早い時期が経過するまでは契約を解除することができます(保険法28条)。請求期間が過ぎると解除権は消滅します。
したがって不適切な記述は[2]です。