生命保険(全71問中20問目)

No.20

終身保険の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2021年9月試験 問10
  1. 低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の一定期間における解約返戻金額および死亡保険金額が通常の終身保険に比べて低く抑えられているため、割安な保険料が設定されているが、低解約返戻金期間満了後は通常の終身保険の解約返戻金額および死亡保険金額と同じ水準になる。
  2. 積立利率変動型終身保険は、払込保険料に付利する積立利率が一定期間ごとに見直されるが、通常、積立利率には最低保証がある。
  3. 契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、死亡保険金受取人を被相続人の子とする米ドル建て終身保険において、死亡保険金を米ドルで受け取った場合、当該相続人は死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることはできない。
  4. 市場価格調整(MVA)機能を有する終身保険の解約返戻金は、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には減少し、下落した場合には増加することがある。

正解 4

問題難易度
肢116.7%
肢212.1%
肢36.0%
肢465.2%

解説

  1. 不適切。低解約返戻金型終身保険は、解約返戻金の金額を低く設定する期間を設けることで保険料を割安にした保険商品です。保険料払込期間終了後は通常の終身保険と同じ水準の解約返戻金になります。
    10.png./image-size:371×219
    低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間などの一定期間における解約返戻金額が低解約返戻金型ではない通常の終身保険に比べて低く抑えられており、通常の終身保険に比べて割安な保険料が設定されている。2015.1-10-1
  2. 不適切。積立利率変動型終身保険は、保険料の積立金に対する適用利率が契約後一定期間ごとに見直されるタイプの保険商品です。適用される積立利率には最低保証があり、予定利率の見直しによって適用される利率が最低保証する利率より高く設定された場合には、それに応じて最低保証される年金額や保険金額、解約返戻金などが増えます。本肢は保険料の積立金ではなく、払込保険料に付利するとしているため誤りです。
  3. 不適切。契約者=被保険者ですから、死亡保険金は相続税の課税対象となります。外貨建て終身保険において、死亡保険金を外貨で受け取った場合も、死亡保険金の非課税金額の規定を受けることはできます。
  4. [適切]。市場価格調整(Market Value Adjustment)は、保険を中途解約した場合の解約返戻金が市場金利に応じて変動する仕組みのことです。市場価格調整機能を有する保険では、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には解約返戻金が減少し、逆に下落した場合には解約返戻金は増加することになります。これは、市場価格調整の仕組みを持つ保険が一部または全部を債券で運用しており、市場金利が高く(低く)なると債券価格が下がり(上がり)、解約返戻金に充てるための売却価格が下落(上昇)するためです。
    市場価格調整(MVA)機能を有する終身保険の解約返戻金は、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇していた場合には減少し、低下していた場合には増加することがある。2024.1-11-4
    市場価格調整(MVA)機能を有する外貨建終身保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額等に反映され、契約時と比較した解約時の市場金利の上昇は、解約返戻金額の減少要因となる。2023.1-10-4
    市場価格調整(MVA)機能を有する外貨建終身保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額等に反映され、契約時と比較した解約時の市場金利の上昇は、解約返戻金額の減少要因となる。2021.5-10-2
    市場価格調整(MVA)機能を有する変額個人年金保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額等に反映され、一般に、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には解約返戻金額は増加する。2019.1-10-4
    市場価格調整(MVA)機能を有する外貨建て保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額等に反映されるため、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には外貨建ての解約返戻金額は増加する。2016.9-12-2
    市場価格調整(MVA)がある終身保険は、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額等に反映されるため、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には解約返戻金額は減少し、下落した場合には増加することがある。2015.1-10-4
したがって適切な記述は[4]です。