生命保険(全71問中46問目)

ご注意ください。
法令改正により、この問題の記述は現行の内容と異なっている可能性があります。

No.46

契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険契約の保険料の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとし、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。また、契約日は2019年7月7日以前であるものとする。
2018年9月試験 問12
  1. 被保険者をすべての役員・従業員、死亡保険金受取人を被保険者の遺族、満期保険金受取人を法人とする養老保険の保険料は、2分の1相当額を資産に計上し、残りの金額を損金の額に算入することができる。
  2. 被保険者を役員(契約時年齢35歳)、死亡保険金受取人を法人とする定期保険(70歳満期)の保険料は、全額を損金の額に算入することができる。
  3. 被保険者を役員(契約時年齢45歳)、死亡保険金受取人を法人とする逓増定期保険(70歳満期)の保険料は、保険期間の当初6割相当期間(前払期間)においては、2分の1相当額を資産に計上し、残りの金額を損金の額に算入することができる。
  4. 被保険者を役員(契約時年齢45歳)、給付金・保険金受取人を法人とするがん保険(終身払込)の保険料は、保険期間満了年齢を105歳とした保険期間の当初6割相当期間(前払期間)においては、2分の1相当額を資産に計上し、残りの金額を損金の額に算入することができる。

正解 4

問題難易度
肢18.7%
肢227.2%
肢326.8%
肢437.3%

解説

  1. 適切。法人契約の養老保険は支払保険料の全額を資産計上するのが原則ですが、①被保険者をすべての役員・従業員、②死亡保険金受取人をその従業員等の遺族、③満期保険金受取人を法人とする養老保険は、ハーフタックスプランとなり、支払保険料の額の2分の1に相当する金額を保険料積立金として資産に計上し、残り2分の1は福利厚生費として損金の額に算入します。
  2. 適切。平準払いの定期保険のうち、満了時年齢が70歳以下である保険契約は長期平準定期保険に該当しないので、支払保険料の全額を損金算入できます。
  3. 適切。2019年7月7日以前に契約した逓増定期保険の支払保険料は、①満了時年齢、②加入時年齢、③保険期間によって4つの経理処理に分かれます。
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    本肢の契約は上図の1.に該当するので、2分の1相当額を資産に計上し、残りの金額を損金の額に算入します。
  4. [不適切]。給付金・保険金受取人が法人で、保険料が終身払いとなっているがん保険は、加入時の年齢から105歳までの期間を計算上の保険期間とし、当該保険期間の前半50%期間については、各年の支払保険料のうち2分の1相当額を資産計上し、残りを損金の額に算入します(平24課法2-5)。本肢は「当初6割相当期間」としているので誤りです。
したがって不適切な記述は[4]です。
法人税通達の改正により、逓増定期保険、長期平準定期保険などで個別に適用されていた経理処理が廃止されました。2019年7月8日以降に契約した保険期間3年以上の法人生命保険は、解約返戻率を基準にして契約当初の資産計上割合が、0割=全額損金(解約返戻率50%以下)、4割(同50%超70以下)、6割(同70%超85以下)、最高解約返戻率×9割(85%超)に区分されます。遡及適用はないので、基準日以前に契約したものは従前の経理処理を行います。