生命保険(全71問中6問目)

No.6

生命保険契約の各種手続等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2023年5月試験 問11
  1. 払済保険に変更した場合、予定利率は変更時点における予定利率が適用され、原則として、元契約に付加されていた特約は消滅するが、リビング・ニーズ特約は消滅しない。
  2. 生命保険会社は、保険契約者または被保険者の告知義務違反があった場合、生命保険契約の締結日から5年以内で、かつ、契約の解除の原因があることを知った時から2カ月以内であれば、契約を解除することができる。
  3. 個人年金保険料税制適格特約が付加された個人年金保険において、年金年額の減額を行い返戻金が発生した場合、返戻金は所定の利息を付けて積み立てられ、年金支払開始日に増額年金の買増しに充てられる。
  4. 契約転換とは、現在の生命保険契約を活用して同一の生命保険会社で新規に契約する方法であり、転換(下取り)価格には、転換前契約の責任準備金が充当され、積立配当金は払い戻される。

正解 3

問題難易度
肢131.8%
肢28.5%
肢347.7%
肢412.0%

解説

  1. 不適切。変更時点における予定利率が適用されるのではありません。払済保険は、中途解約するわけではなく元の保険契約が継続するので、元の契約の予定利率を引き継げます。また、元契約に付加されていた医療保障や介護保障等の各種特約は消滅しますが、リビング・ニーズ特約や指定代理請求特約等は消滅しません。
    払済保険に変更した場合、元契約に付加されていた医療保障や介護保障等の各種特約は消滅するが、一般に、リビング・ニーズ特約や指定代理請求特約は消滅しない。2022.5-10-1
  2. 不適切。知った時から2カ月以内ではありません。保険契約者または被保険者に告知義務違反があった場合、保険会社はそれを知った時から1カ月、または契約締結から5年のいずれか早い時期が経過するまでは契約を解除することができます(保険法28条)。請求期間が過ぎると解除権は消滅します。
  3. [適切]。通常、個人年金保険の基本年金額を減額すると、契約者はその部分に相当する解約返戻金を受け取ることができます。しかし、個人年金保険料税制適格特約が付加されている場合には、減額返戻金は自動的に配当金の積立てに充当され、増額年金の原資となります。個人年金保険料税制適格特約が付加されているときは、被保険者の死亡・高度障害状態となった場合を除いて年金以外の給付が禁止されるからです。
    個人年金保険料税制適格特約が付加されている個人年金保険の基本年金額を減額した場合、減額した基本年金額に相当する解約返戻金相当部分は、将来の増額年金として積み立てられる。2024.1-11-1
    個人年金保険料税制適格特約が付加されていない定額個人年金保険において、基本年金年額の減額を行い返戻金が発生した場合、返戻金は払い戻されず、所定の利息をつけて積み立てられ、年金開始日に増額年金の買い増しに充てられる。2023.9-11-3
    個人年金保険料税制適格特約が付加された定額個人年金保険において、年金年額の減額を行い返戻金が発生した場合、返戻金を払い戻すか、所定の利息をつけて積み立てて、年金支払開始日に増額年金の買い増しに充てるかを選択することができる。2023.1-11-4
    個人年金保険料税制適格特約が付加されている個人年金保険の基本年金額を減額した場合、減額時に減額した基本年金額に相当する解約返戻金が支払われる。2022.1-10-2
    個人年金保険料税制適格特約が付加された個人年金保険は、契約日から10年以内に払済年金保険に変更することや、年金受取人を変更することはできない。2019.5-10-3
    個人年金保険料税制適格特約が付加された個人年金保険は、契約日から10年間は払済年金保険に変更することができない。2015.9-10-1
  4. 不適切。契約転換の際に積立配当金は払い戻されないので誤りです。契約転換とは、現在の生命保険契約の積立部分や積立配当金を下取り価格として、同じ保険会社の新規保険契約の保険料に充当する方法です。転換(下取り)価格とは、現在の保険契約の責任準備金に積立配当金を上乗せした価格となります。
したがって適切な記述は[3]です。