損害保険(全58問中48問目)

No.48

会社役員賠償責任保険(D&O保険)の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2016年1月試験 問14
  1. 会社役員賠償責任保険(D&O保険)は、被保険者が会社役員としての業務につき行った行為に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が法律上の損害賠償金または争訟費用を負担することによって生じる損害が補償の対象となる。
  2. 会社役員賠償責任保険(D&O保険)の補償の対象となる損害賠償金には、判決に基づく損害賠償金や和解金のほか、罰金、課徴金、懲罰的損害賠償金も含まれる。
  3. 会社役員賠償責任保険(D&O保険)では、会社のすべての役員が被保険者となり、保険期間中に退任した役員や新たに選任された役員も含まれる。
  4. 会社役員賠償責任保険(D&O保険)の保険料は、通常、基本補償(普通保険約款)部分については会社が負担し、株主代表訴訟担保特約部分については被保険者が負担する。

正解 2

問題難易度
肢13.9%
肢257.2%
肢313.4%
肢425.5%

解説

会社役員は会社法等で定められる義務が多くあり、業務遂行上これらの義務に故意または過失により違反したことにより、株主や第三者から訴訟を起こされるリスクがあります。会社役員賠償責任保険(D&O保険)は、法人や契約者となりこれらの訴訟リスクに備える保険です。
  1. 適切。会社役員賠償責任保険(D&O保険)とは、会社役員としての業務の遂行に起因する損害賠償請求を受けたことよって被る損害を総支払限度額の範囲内で補償する保険です。
  2. [不適切]。確定判決等で支払いが決定した損害賠償金や和解金、訴訟や調停等の争訟費用が補償されますが、税金、罰金、科料、過料、課徴金、懲罰的損害賠償金、倍額賠償金の加重部分は補償対象外です。
  3. 適切。D&O保険の被保険者となる役員は、執行役員を含むすべての役員が対象で、保険期間中に退任した役員や新たに選任された役員も対象となります。
  4. 適切。保険料は、他者への損害賠償を備える基本補償(普通保険約款)部分については会社が負担することになり、株主代表訴訟担保特約部分については被保険者である役員が負担します。保険料負担割合は、原則として会社90%・役員10%です。ただし、一定の要件を満たすことにより、役員分の保険料を会社が負担しても給与課税が行われないようにすることも可能です。
したがって不適切な記述は[2]です。