リスク管理と保険(全10問中6問目)

No.6

労働災害総合保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2021年5月試験 問15
  1. 労働災害総合保険は、法定外補償保険と使用者賠償責任保険で構成されており、どちらか一方だけを契約することはできない。
  2. 労働災害総合保険のうち、法定外補償保険は、被用者が業務の遂行上の事故によって被る損害について労働者災害補償保険による給付が行われない場合に保険金が支払われるものである。
  3. 労働災害総合保険のうち、使用者賠償責任保険は、被用者が業務の遂行に起因して第三者に損害を与え、使用者が法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害について保険金が支払われるものである。
  4. 労働災害総合保険には、契約時に平均被用者数または賃金総額の見込額に基づいて算出された暫定保険料を支払い、保険期間終了後に実際値に基づいて算出された確定保険料との差額を精算する契約方式がある。

正解 4

問題難易度
肢110.0%
肢221.6%
肢333.2%
肢435.2%

解説

  1. 不適切。労働災害総合保険は、労働災害が生じた際のサポートをする商品です。法定外補償保険(労災保険の上乗せ給付)、使用者賠償責任保険(被用者に対する使用者責任を補償)の2つの補償を組み合わせた保険になっていますが、いずれか一方のみを契約することも可能です。
  2. 不適切。法定外補償保険は、労災保険の給付対象となる労働災害に対して行う、企業の上乗せ補償に対して保険金が支払われるものです。従業員の労災事故について給付が行われない場合に補償されるのではありません。
  3. 不適切。使用者賠償責任保険は、被用者が受けた労働災害について、企業が損害賠償責任を負う損害賠償責任のうち、労災保険等や法定外補償規定等による給付を超過する法律上の損害賠償責任を補償します。第三者に対する使用者責任は補償対象外です。なお、被用者が業務遂行中に第三者に対して与えた損害は、施設所有(管理)者賠償責任保険でカバーします。
    会社役員賠償責任保険は、被保険者である会社役員が役員の業務の遂行に起因して保険期間中に損害賠償請求を受けた場合に、法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害に備えることができる。2022.9-15-1
  4. [適切]。労働災害総合保険の保険料は、契約時(原則1年契約)に、業種、賃金総額、平均被用者数、請負金額、完成工事高等の基礎数字を基に算出された暫定保険料を支払い、保険期間終了時に確定保険料との差額を精算する方式が一般的となっています。労災保険・雇用保険の徴収と同じシステムです。
したがって適切な記述は[4]です。