マーケット環境の理解(全20問中6問目)

No.6

景気動向指数に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2021年9月試験 問16
  1. 景気動向指数のCI(コンポジット・インデックス)は、主として景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的としており、景気の拡張局面では50%を上回り、景気の後退局面では50%を下回る傾向がある。
  2. 内閣府が公表する消費者態度指数は、今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識を調査して数値化した指標であり、先行系列に採用されている。
  3. 国土交通省が公表する新設住宅着工床面積は、住宅の建築着工状況を集計した指標であり、一致系列に採用されている。
  4. 有効求人倍率(除学卒)は、先行系列に採用されており、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年4月以降、1.0倍を下回る状態が続いている。

正解 2

問題難易度
肢131.7%
肢248.5%
肢36.9%
肢412.9%

解説

  1. 不適切。景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)があります。
    コンポジット・インデックス
    景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的とする指数。一般的に、CI一致指数が上昇している時は景気の拡張局面、低下している時は後退局面となる。
    ディフュージョン・インデックス
    景気の各経済部門への波及の度合い(波及度)を測定することを主な目的とする指数。景気拡張局面では50%を上回り、後退局面では50%を下回る傾向がある。
    CIは前月と比べた変化量を合成した指数ですから、一般的に、CI一致指数が上昇している時は景気の拡張局面、低下している時は後退局面となる傾向があります。景気の拡張局面では50%を上回り、景気の後退局面では50%を下回るというのはDI一致指数の見方です。
    景気動向指数のDI(ディフュージョン・インデックス)は、主として景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いを測定することを目的としており、基準年の2020年を100として、3カ月以上連続して、3カ月後方移動平均が下降していれば、景気後退の可能性が高いと判断される。2022.5-16-1
    景気動向指数のCI(コンポジット・インデックス)は、採用系列の各月の値を3カ月前と比べた変化方向を合成して作成した指数であり、景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いの測定を主な目的としている。2021.1-16-2
    景気動向指数において、CI(コンポジット・インデックス)は主として景気変動の大きさやテンポ(量感)の測定を目的とし、DI(ディフュージョン・インデックス)は景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いの測定を主な目的としている。2016.9-16-3
  2. [適切]。消費者態度指数とは、消費者の消費に関する今後半年間の見通しを調査して指数化したものです。消費の見通しですので景気動向指数の先行系列に採用されています。
    内閣府が公表する消費者態度指数は、現在の景気動向に対する消費者の意識を調査して数値化した指標であり、景気動向指数の一致系列に採用されている。2018.9-16-3
    内閣府が公表する消費動向調査における消費者態度指数は、景気動向指数の遅行系列に採用されている。2017.1-16-4
  3. 不適切。新設住宅着工床面積は、国土交通省の建築着工統計調査の中で発表される指標であり、建築基準法に基づき建築主から都道府県知事に提出された建築工事届のうち新設住宅の床面積を合計したものです。新設住宅着工床面積は、購買意欲の表れとして景気動向指数の先行系列に採用されています。
    国土交通省が公表する建築着工統計における新設住宅着工床面積は、景気動向指数の先行系列に採用されている。2017.1-16-1
    国土交通省が公表する新設住宅着工床面積は、住宅の建築着工状況を集計した指標であり、景気動向指数の一致系列に採用されている。2014.1-16-2
  4. 不適切。有効求人倍率は、有効求職者数に対する有効求人数の割合で、景気とほぼ一致して動く一致系列に採用されています。
    2020年9月に1.03倍まで下落した後、2021年2月にかけて若干の回復傾向が見られるものの、ほぼ横ばいとなっています。2020年の年間平均での有効求人倍率は1.18倍(季節調整値)で、新型コロナウイルスの感染状況による影響がうかがえる結果となっています。
したがって適切な記述は[2]です。