金融商品と税金(全25問中5問目)

No.5

Aさん(居住者)は、2021年4月に特定口座でXファンド(公募追加型株式投資信託、当初1口1円、年1回分配)10,000口を基準価額11,000円で購入した。下記の〈Xファンドの分配金実績・分配落後基準価額の推移〉に基づき、2024年3月期における10,000口当たりの収益分配金について、所得税および復興特別所得税、住民税の源泉(特別)徴収後の手取金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、源泉(特別)徴収される税額は円未満切捨てとすること。
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2022年5月試験 問23
  1. 479円
  2. 519円
  3. 560円
  4. 600円

正解 2

問題難易度
肢113.1%
肢264.0%
肢319.2%
肢43.7%

解説

分配金には「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」があります。元本払戻金が生じた場合には個別元本がその分減少するので、分配金支払いごとの個別元本の変化に注意しながら考えましょう。

[2022年3月期]
「個別元本<分配落後基準価額」なので分配金の1,000円は全て普通分配金となります。個別元本は当初のまま11,000円です。
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[2023年3月期]
「個別元本<分配落後基準価額」なので分配金の1,000円は全て普通分配金となります。個別元本は当初のまま11,000円です。
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[2024年3月期]
「個別元本>分配落後基準価額」なので分配金600円のうち、400円が普通分配金、200円が元本払戻金となります。元本払戻金が生じたので個別元本は「11,000円-200円=10,800円」に減少します。
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投資信託の収益分配金は20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)で源泉徴収されて支払われます。課税されるのは普通分配金の400円のみですから、源泉徴収税額は、

 400円×20.315%=81.26円
(円未満切り捨て)81円

分配金の総額(普通分配金+元本払戻金)である600円から源泉徴収額を差し引いた金額が手取りとなります。

 600円-81円=519

したがって[2]が正解です。