関連法規(全13問中8問目)

No.8

金融商品取引法で禁止されている不公正取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2020年1月試験 問24
  1. 有価証券の募集、売買等のため、または有価証券等の相場の変動を図る目的をもって、合理的な根拠のない情報を不特定多数の者に伝達することは、風説の流布として禁止されている。
  2. 同一人が、証券取引所の立会外取引において、同一の有価証券について同数量の買い注文と売り注文を同一価格で発注して約定させることは、仮装売買として禁止されている。
  3. 他人を有価証券の売買に誘引する目的をもって、有価証券の売買が繁盛であると誤解させ、または相場を人為的に変動させるような一連の売買等をすることは、変動操作取引として禁止されている。
  4. 上場会社等の会社関係者が、当該上場会社等に係る業務等に関する重要事実を、その者の職務に関し知ったうえで、その公表前に、当該上場会社等の株券等を売買することは、内部者取引として禁止されている。

正解 2

問題難易度
肢14.6%
肢280.0%
肢310.5%
肢44.9%

解説

  1. 適切。有価証券の募集、売買等のため、株式相場の変動を図る目的で、虚偽の情報や未確認の噂を流布する行為などを風説の流布といい、証券取引法により禁止されています(金商法158条)。
  2. [不適切]。同一人物が権利の移転を目的とせず、同一の有価証券について、同時期に同価格で売りと買いの注文を発注することで、意図的に出来高を上げ、売買が活発に行われているように見せかけることは仮装売買として禁止されていますが、立会外取引(時間外取引)においては認められています。
  3. 適切。ある特定の有価証券の売買が繁盛に行われていると他の投資家に誤解させ、取引を誘引することを目的として、売買を成立させる意図がない大量の売買注文の発注・取消・訂正を頻繁に繰り返す行為は、変動操作取引(相場操縦行為)として禁止されています(金商法159条2項)。
  4. 適切。会社の内部情報を知る立場にある者(会社関係者)が、その特別な立場を利用して上場会社等の株価に重要な影響を与える重要事実を知って、その重要事実が公表される前に、特定有価証券等の売買を行うことはインサイダー取引(内部者取引)として禁止されています(金商法166条1項)。
    金融商品取引法では、上場会社の役員を退任して1年以内の者が、在任中に当該上場会社に係る業務等に関する重要事実を自身の職務等に関して知り、退任後、その公表前に当該上場会社の株式を売買することは原則として禁止されている。2021.1-24-4
したがって不適切な記述は[2]です。