預貯金・金融類似商品(全12問中9問目)

No.9

各種信託商品の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2018年1月試験 問17
  1. 暦年贈与信託は、信託設定時に委託者と受益者の意思確認が行われ、毎年のあらかじめ決められた日に、自動的に受託者が受益者に一定額を振込送金する信託である。
  2. 教育資金贈与信託の委託者は、受益者の直系尊属であり、かつ、信託契約を締結する日において60歳以上の者とされている。
  3. 特定贈与信託は、委託者が拠出する信託財産について、受益者が特別障害者の場合は8,000万円、特別障害者以外の特定障害者の場合は5,000万円を限度に贈与税が非課税とされる。
  4. 後見制度支援信託は、被後見人の生活の安定に資することを目的に設定される信託であり、信託財産は金銭に限定されている。

正解 4

問題難易度
肢117.6%
肢213.3%
肢312.0%
肢457.1%

解説

  1. 不適切。暦年贈与信託は、原則、年1回贈与手続きを行い委託者と受益者の意思確認をしたうえで、受託者から受益者に決められた金額を送金する信託です。年間給付額に上限はないので、贈与税の基礎控除額110万円を超えて設定することも可能です。
  2. 不適切。教育資金贈与信託の委託者は、受益者の直系尊属であれば年齢制限はありません。ただし受益者は、30歳未満であることが要件になります。
    教育資金贈与信託の委託者は、受益者の直系尊属であり、かつ、信託契約を締結する日において60歳以上の者とされている。2022.1-17-3
    教育資金贈与信託は、直系卑属に対して教育資金を贈与することを目的に設定される信託であり、受益者は信託契約を締結する日において30歳未満の者に限られる。2016.1-17-2
  3. 不適切。特定贈与信託は、障がいを持つ方の家族等が信託銀行に金銭等を信託し、障がいを持つ方に対して一生涯にわたり生活費や医療費等に充てるための金銭を定期的に送る信託商品です。受益者の障害の程度により贈与税非課税限度額が設定されていて、受益者が特別障害者の場合は6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の場合は3,000万円を限度に贈与税が非課税となります。
    特定寄附信託は、特定障害者の生活の安定に資することを目的に設定される信託であり、委託者が拠出する信託財産について、受益者が特別障害者の場合は6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の場合は3,000万円を限度に贈与税が非課税とされる。2022.1-17-4
    特定贈与信託は、特定障害者の生活の安定に資すること等を目的に設定される信託であり、委託者が拠出する信託財産について、受益者が特別障害者の場合は6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の場合は3,000万円を限度に贈与税が非課税とされる。2021.5-17-2
    特定贈与信託は、特定障害者の生活の安定に資することを目的に設定される信託であり、委託者が拠出する信託財産について、受益者が特別障害者の場合は6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の場合は3,000万円を限度に贈与税が非課税とされる。2016.1-17-4
  4. [適切]。後見制度支援信託は、法定被後見人の財産を保護し生活の安定に資するために、法定被後見人の財産のうち、日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託するものです(信託財産は金銭に限られる)。委託者=受益者となる自益信託で、交付等の手続きは家庭裁判所が発行する指示書に基づいて行われます。なお、本信託の対象となるのは法定被後見人だけですので、被保佐人、被補助人、任意被後見人は対象外です。
    後見制度支援信託は、被後見人の生活の安定に資すること等を目的に設定される信託であり、信託契約の締結、信託の変更・解約等の手続があらかじめ家庭裁判所が発行する指示書に基づいて行われ、信託財産は金銭に限定されている。2021.5-17-3
    後見制度支援信託は、被後見人、被保佐人または被補助人の生活の安定に資することを目的として、家庭裁判所が発行する指示書に基づいて設定される信託であり、委託者を受益者とする自益信託である。2019.5-17-3
    後見制度支援信託は、被後見人の生活の安定に資することを目的に設定される信託であり、信託契約の締結、変更、解約等の手続は家庭裁判所の指示書に基づいて行われる。2016.1-17-3
    後見制度支援信託では、信託契約の締結、一時金の交付、信託の変更・解約等の手続が、あらかじめ家庭裁判所が発行する指示書に基づいて行われる。2015.9-18-2
したがって適切な記述は[4]です。