決算書と法人税申告書(全4問中2問目)

No.2

損益分岐点分析に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. 売上高が2億円である場合の変動費が6,000万円、固定費が4,000万円である企業は、固定費を1,400万円削減すれば、損益分岐点が2,000万円低下することになる。
  2. 売上高が2億円である場合の変動費が8,000万円、固定費が3,000万円である企業は、変動費率が10ポイント上昇すると、損益分岐点が2,000万円上昇することになる。
  3. 売上高が2億円である場合の変動費が8,000万円、固定費が4,000万円である企業が2億円の利益をあげるために必要な売上高は、4億円である。
2019年9月試験 問33
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 2

問題難易度
肢126.4%
肢261.3%
肢35.7%
肢46.6%

解説

損益分岐点売上高は以下の式で計算します。

 損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)
 変動費率=変動費÷売上高
  1. 適切。まず当初の損益分岐点を考えます。

     変動費率=6,000万円÷2億円=30%
     4,000万円÷(1-30%)

    固定費が1,400万円減り2,600万円になると、

     2,600万円÷(1-30%)

    2つの損益分岐点の差額は、

     4,000万円÷(1-30%)-2,600万円÷(1-30%)
    =(4,000万円-2,600万円)÷(1-30%)
    =1,400万円÷0.7
    =2,000万円

    よって記述は適切です。
    売上高が2億円である場合の変動費が8,000万円、固定費が6,000万円である企業は、固定費を1,200万円削減すれば、損益分岐点が1,500万円低下することになる。2015.10-33-3
    売上高が2億円である場合の変動費が4,000万円、固定費が2,000万円である企業が4,000万円の利益をあげるために必要な売上高は、7,500万円である。2015.10-33-4
  2. 不適切。当初の損益分岐点は、

     変動費率=8,000万円÷2億円=40%
     3,000万円÷(1-40%)=5,000万円

    変動費率が10ポイント上昇すると50%になるので、

     3,000万円÷(1-50%)=6,000万円

    損益分岐点は1,000万円上昇することになるので、記述は誤りです。
  3. 適切。目標利益達成売上高は、固定費部分に目標利益を足した以下の式で求めます。

     (固定費+目標利益)÷(1-変動費率)

    金額を代入して目標利益達成売上高を求めます。

     変動費率=8,000万円÷2億円=40%
     (4,000万円+2億円)÷(1-40%)=4億円

    よって記述は適切です。
したがって適切な記述は[2つ]です。