不動産に関する法令上の規制(全61問中27問目)

No.27

都市計画法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2020年1月試験 問36
  1. 都市計画区域として指定された区域では、計画的な市街化を図るため、都市計画に市街化区域と市街化調整区域との区分を定めなければならない。
  2. 都市計画区域として指定された区域では用途地域を定めなければならず、準都市計画区域として指定された区域では原則として用途地域を定めないものとされている。
  3. 開発許可を受けた者が、開発行為に関する工事を廃止するときは、あらかじめ、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
  4. 開発許可を受けた者の相続人その他の一般承継人は、都道府県知事等の承認を受けることなく、被承継人が有していた当該許可に基づく地位を承継する。

正解 4

問題難易度
肢113.0%
肢212.3%
肢315.3%
肢459.4%

解説

  1. 不適切。市街化区域と市街化調整区域との区分(区域区分)については、必要があるときは「定めることができる」としています(都市計画法7条1項)。本肢は「定めなければならない」としているので誤りです。
    すべての都市計画区域内において、都市計画に市街化区域と市街化調整区域の区分(区域区分)を定めなければならない。2023.9-38-1
    都市計画区域のうち、市街化区域は既に市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされ、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域とされる。2022.9-36-1
    都市計画区域のうち、市街化区域については用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として、用途地域を定めないものとされ、区域区分が定められていない都市計画区域では必要に応じて用途地域を定めることができる。2022.9-36-2
    準都市計画区域として指定された区域において、計画的な市街化を図るために必要があるときは、都市計画に市街化区域と市街化調整区域の区分を定めることができる。2021.5-37-1
    都市計画区域のうち、市街化区域については用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については原則として用途地域を定めないものとされている。2021.5-37-2
  2. 不適切。都市計画区域・準都市計画区域ともに、用途地域を定めることができます(都市計画法8条2項)。本肢のように用途地域の定めが指定されているのは、少なくとも用途地域を定める市街化区域と、原則として用途地域を定めない市街化調整区域です。
    市街化区域については用途地域を定め、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされている。2023.9-38-2
    準都市計画区域として指定された区域では、原則として、用途地域や高度地区を定めることができない。2022.9-36-4
    都市計画区域内において、用途地域が定められている区域については、防火地域または準防火地域のいずれかを定めるものとされている。2017.9-38-1
  3. 不適切。開発行為の廃止は、工事を廃止した後、遅滞なく、都道府県知事等へ届出をすれば足ります(都市計画法38条)。本肢は「許可を受けなければならない」としているので誤りです。
  4. [適切]。開発許可を受けた者の相続人その他の一般承継人は、被承継人が有していた当該許可に基づく地位を承継します(都市計画法44条)。一方、開発許可を受けたものから工事を施行する権限を取得した者の場合は、都道府県知事の承認を受けなければ地位の承継がなされないという違いがあります。
したがって適切な記述は[4]です。