不動産に関する法令上の規制(全61問中36問目)

No.36

都市計画法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2018年9月試験 問36
  1. 区域区分は、都市計画区域について計画的な市街化を図るために定められるもので、市街化区域は既に市街地を形成している区域、市街化調整区域はおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされている。
  2. 用途地域は、土地の計画的な利用を図るために定められるもので、住居の環境を保護するために定める8地域、商業その他の業務の利便を増進するために定める2地域、工業の利便を増進するために定める3地域の合計13地域とされている。
  3. 高度利用地区は、建築物の容積率の最高限度および最低限度、建築物の建蔽率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度、壁面の位置の制限を定める地区であり、都市計画区域または準都市計画区域内の用途地域が指定された区域に定められる。
  4. 防火地域および準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するために定められるもので、都市計画区域内の用途地域が指定された区域については、防火地域または準防火地域のいずれかを定めるものとされている。

正解 2

問題難易度
肢16.7%
肢274.6%
肢37.9%
肢410.8%

解説

  1. 不適切。区域区分(市街化区域と市街化調整区域との区分)は、都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るために必要に応じて定められるものです(都市計画法7条)。
    市街化区域
    すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域
    市街化調整区域
    市街化を抑制すべき区域
    本肢は、市街化調整区域の説明に市街化区域の定義が混じっているので誤りです。
  2. [適切]。用途地域は都市計画法の地域地区の一種で、都市の計画的利用のため、地区の用途に応じて各種の制限や建築可能な建築物を指定するものです。用途地域には住居系8つ、商業系2つ、工業系3つの計13地域があります(都市計画法8条1項1号)。
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  3. 不適切。高度利用地区は準都市計画区域内には指定できません(都市計画法8条2項)。記述前半の、高度利用地区は、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建蔽率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地域という説明は適切です(都市計画法8条3項2号チ)。
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  4. 不適切。防火地域および準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域で、都市計画区域内に任意で定めることができます(都市計画法9条21項、同8条1項5号)。本肢のように、用途地域が指定された区域に、防火地域または準防火地域を定めなければならないという規定はありません。
    都市計画区域内の用途地域が指定された区域については、市街地における火災の危険を防除するため、防火地域または準防火地域のいずれかを定めるものとされている。2021.5-37-3
したがって適切な記述は[2]です。