不動産に関する法令上の規制(全61問中5問目)

No.5

都市計画法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2023年9月試験 問38
  1. すべての都市計画区域内において、都市計画に市街化区域と市街化調整区域の区分(区域区分)を定めなければならない。
  2. 市街化区域については用途地域を定め、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされている。
  3. 土地の区画形質の変更が、建築物の建築や特定工作物の建設の用に供することを目的としていない場合、開発行為に該当しない。
  4. 開発許可を受けた開発区域内の土地においては、開発行為に関する工事完了の公告があるまでの間は、原則として、建築物を建築することができない。

正解 1

問題難易度
肢178.3%
肢24.6%
肢38.4%
肢48.7%

解説

  1. [不適切]。区域区分の指定は義務ではありません。都市計画区域内における市街化区域と市街化調整区域との区分(区域区分)は、必要があるときは定めることができることとされています(都市計画法7条1項)。
    都市計画区域のうち、市街化区域は既に市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされ、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域とされる。2022.9-36-1
    都市計画区域のうち、市街化区域については用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として、用途地域を定めないものとされ、区域区分が定められていない都市計画区域では必要に応じて用途地域を定めることができる。2022.9-36-2
    準都市計画区域として指定された区域において、計画的な市街化を図るために必要があるときは、都市計画に市街化区域と市街化調整区域の区分を定めることができる。2021.5-37-1
    都市計画区域のうち、市街化区域については用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については原則として用途地域を定めないものとされている。2021.5-37-2
    都市計画区域として指定された区域では、計画的な市街化を図るため、都市計画に市街化区域と市街化調整区域との区分を定めなければならない。2020.1-36-1
  2. 適切。市街化区域については少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域には原則として用途地域を定めないとされています。市街化区域は計画的な市街地の形成を図るために必要、市街化調整区域は市街化を抑制する区域なので不要という考え方です(都市計画法13条1項7号)。
    準都市計画区域として指定された区域では、原則として、用途地域や高度地区を定めることができない。2022.9-36-4
    都市計画区域として指定された区域では用途地域を定めなければならず、準都市計画区域として指定された区域では原則として用途地域を定めないものとされている。2020.1-36-2
    都市計画区域内において、用途地域が定められている区域については、防火地域または準防火地域のいずれかを定めるものとされている。2017.9-38-1
  3. 適切。開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいいます。したがって、建築物の建築や特定工作物の建設を目的としない場合は、規模によらず開発行為に該当しません(都市計画法4条12項)。
    都市計画法上の開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更のことをいう。2022.5-37-1
  4. 適切。開発許可を受けた開発区域内の土地は、次の3つの例外を除き、工事完了の公告があるまで建築等ができません。整地や地ならし工事の邪魔になるので規制されています(都市計画法37条)。
    1. 工事用の仮設建築物または特定工作物を建築・建設するとき
    2. 都道府県知事が支障がないと認めたとき
    3. 開発行為に同意していない者が、権利の行使として所有する土地に建築等をするとき
したがって不適切な記述は[1]です。