不動産に関する法令上の規制(全61問中56問目)

No.56

土地区画整理法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2015年9月試験 問39
  1. 土地区画整理組合による土地区画整理事業の換地計画においては、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、一定の土地を換地として定めないで、その土地を保留地として定めることができる。
  2. 仮換地が指定された場合、従前の宅地について権原に基づき使用または収益をすることができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用または収益と同じ使用または収益をすることができる。
  3. 仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、換地処分の公告がある日まで、従前の宅地について売買契約を締結することができない。
  4. 土地区画整理事業により換地として交付される宅地の面積は、従前の宅地の面積よりも小さくなることがある。

正解 3

問題難易度
肢13.7%
肢216.3%
肢374.0%
肢46.0%

解説

  1. 適切。保留地は、土地区画整理事業の施行費用に充てるため、または規約等で定める目的のために、換地計画において誰の所有にも属さないこととされる土地のことです。土地区画整理事業の施行者は、規約等で保留地を定めることができます(土地区画整理法96条)。
  2. 適切。仮換地の指定があった後は、従前の宅地について使用収益する権限を有していた者は、仮換地について同じ内容の使用収益をできるようになります(土地区画整理法99条1項)。
    仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、換地処分の公告がある日まで、従前の宅地について所有権移転の登記をすることができない。2020.9-36-2
    仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、当該仮換地について抵当権を設定することができるが、従前の宅地には抵当権を設定することはできない。2018.9-37-1
    仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、換地処分の公告がある日まで、従前の宅地について売買契約を締結することができない。2015.9-39-3
  3. [不適切]。仮換地とは、土地区画整理事業中に、対象地域の宅地所有者などが仮に使用できる土地のことです。仮換地の指定があった場合、従前の宅地については使用・収益はできませんが、所有権まで失うわけではないので従前の宅地の売買契約をすることは可能です。
    仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、換地処分の公告がある日まで、従前の宅地について所有権移転の登記をすることができない。2020.9-36-2
    仮換地が指定された場合、従前の宅地の所有者は、当該仮換地について抵当権を設定することができるが、従前の宅地には抵当権を設定することはできない。2018.9-37-1
    仮換地が指定された場合、従前の宅地について権原に基づき使用または収益をすることができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用または収益と同じ使用または収益をすることができる。2015.9-39-2
  4. 適切。土地区画整理事業により、道路や公園などの公共施設が整備されたり、保留地が定められたりするので、換地として交付される宅地の面積は、従前の宅地の面積よりも小さくなることがあります(減歩)。
したがって不適切な記述は[3]です。