相続と法律(全46問中12問目)

No.12

普通養子および特別養子に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、特別養子縁組以外の縁組による養子を普通養子という。
2022年1月試験 問45
  1. 尊属または年長者を普通養子とすることはできないが、兄弟姉妹の間であれば、弟(妹)が年長者である兄(姉)を普通養子にすることができる。
  2. 養親の相続開始前に普通養子が死亡した場合、養親の相続において、その養子縁組後に生まれた普通養子の子は、普通養子の相続権を代襲する。
  3. 未成年者を普通養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならないが、未成年者である子を有する者と婚姻し、その子を普通養子とする場合は、家庭裁判所の許可を得る必要はない。
  4. 特別養子縁組は、原則として、養親となる者は配偶者のある者で25歳以上であること、養子となる者は15歳未満の未成年者であることが要件となる。

正解 1

問題難易度
肢169.0%
肢211.2%
肢35.8%
肢414.0%

解説

  1. [不適切]。自分からみて、父母や祖父母等の尊属や年長者である兄姉を養子とすることはできません(民法793条)。
    年少者である弟や妹は普通養子とすることができるが、年長者である兄や姉を普通養子とすることはできない。2018.9-43-1
  2. 適切。養子が相続開始以前に死亡したとき、養子縁組の成立後に生まれた養子の子は、養親の直系卑属に該当します。よって、養子の代襲相続人として相続権を取得します。
    子を有する者を普通養子とした後、その普通養子が死亡した場合において、普通養子の死亡後に養親の相続が開始したときは、普通養子の子は、普通養子の相続権を代襲しない。2023.9-44-4
    子を有する者を普通養子とした後、養親の相続開始前にその普通養子が死亡した場合、養親の相続において、普通養子の子は、普通養子の相続権を代襲しない。2018.9-43-4
  3. 適切。未成年者を養子とする場合には、その子の住所地を管轄する家庭裁判所の許可を得なければなりません。ただし、自己または配偶者の直系卑属(孫や連れ子など)を養子にする場合は家庭裁判所の許可は不要になります(民法796条)。
  4. 適切。特別養子縁組では、原則として、養親になる者は配偶者のいる25歳以上である必要があり、養子になる者は家庭裁判所に審判を請求する時点で15歳未満である必要があります(民法817条の4、同817条の5)。
したがって不適切な記述は[1]です。