相続と法律(全46問中16問目)

No.16

普通養子に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、特別養子縁組以外の縁組による養子を普通養子といい、記載のない事項については考慮しないものとする。
2021年5月試験 問43
  1. 普通養子の養親となるためには、配偶者を有している必要があり、配偶者を有していない者は養親となることができない。
  2. 自己の尊属である者や自己よりも先に誕生した年長者は、普通養子とすることができない。
  3. 未成年者を普通養子とするためには、その未成年者が自己または配偶者の直系卑属である場合を除き、家庭裁判所の許可を得なければならない。
  4. 普通養子は、養子縁組の日から養親の嫡出子としての身分を取得し、養親に対する相続権を有するとともに、実親との親族関係も継続するため、実親に対する相続権も有する。

正解 1

問題難易度
肢161.5%
肢29.5%
肢318.1%
肢410.9%

解説

  1. [不適切]。20歳に達していれば、配偶者を有していない者でも養親となることができます(民法792条)。なお、養親となる者に配偶者がいる場合は、養子縁組をすることについて配偶者の同意が原則必要となります。
  2. 適切。自分からみて、父母や祖父母等の尊属や年長者である兄姉を養子とすることはできません(民法793条)。
  3. 適切。未成年者を養子とする際には、自己または配偶者の直系卑属(孫や連れ子など)を養子にする場合を除き、その子の住所地を管轄する家庭裁判所の許可を得なければなりません(民法796条)。
    子を有する者と婚姻した後、その子を普通養子とする場合において、その子が未成年者であるときは、家庭裁判所の許可を得なければならない。2018.9-43-2
    自己または配偶者の直系卑属ではない未成年者を普通養子とするためには、家庭裁判所の許可を得なければならない。2016.9-43-2
  4. 適切。普通養子は実親との親子関係を保持したまま、養親との法律上の親子関係を作る制度です(民法809条)。普通養子となった者は実親・養親の両方の相続権を有することとなります。一方、特別養子では実親との親族関係は終了します。
    普通養子は、養子縁組の日から養親の嫡出子としての身分を取得し、養親に対する相続権を有するとともに、実親との親族関係も継続するため、実親に対する相続権も有する。2023.9-44-3
    普通養子は、養子縁組の日から養親の嫡出子としての身分を取得し、養親に対する相続権を有するとともに、実親との親族関係も継続するため、実親に対する相続権も有する。2018.9-43-3
    普通養子は、養子縁組の成立により養親の嫡出子としての身分を取得し、それによって実方の父母との親族関係が終了する。2016.9-43-3
したがって不適切な記述は[1]です。