事業承継対策(全17問中4問目)

No.4

「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例(特例措置)」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2022年5月試験 問50
  1. 自ら使用していない不動産の保有割合が総資産の総額の70%以上である資産保有型会社に該当する場合、原則として、本特例の適用を受けることはできないが、常時使用する従業員の数が5名(受贈者およびその者と生計を一にする親族を除く)を超えなければ、本特例の適用を受けることができる。
  2. 後継者である受贈者は、贈与の時において、会社の代表権を有していること、取締役や監査役等の役員等の就任から3年以上経過していること等の要件を満たす必要がある。
  3. 本特例の適用を受けるためには、贈与税の申告書の提出期限までに、納税が猶予される贈与税額と利子税の額に相当する担保を提供する必要があるが、本特例の適用を受ける非上場株式等のすべてを担保として提供した場合には、当該贈与税額および利子税の額に相当する担保が提供されたものとみなされる。
  4. 贈与者が死亡した場合、本特例の適用を受けた非上場株式等は、相続または遺贈により取得したものとみなして、贈与時の価額により相続税の課税価格に算入されるが、所定の要件を満たせば、相続税の納税猶予及び免除の特例の適用を受けることができる。

正解 1

問題難易度
肢151.6%
肢218.4%
肢316.2%
肢413.8%

解説

  1. [不適切]。自ら使用していない不動産の保有割合が総資産の総額の70%以上である資産保有型会社に該当する場合は、資産保有会社として本特例適用の対象外となります。ただし、贈与時点において常時使用従業員数5人以上で、営業所を構えて3年以上事業を継続していれば本特例の適用が可能です。
  2. 適切。後継者である受贈者は贈与時において、①18歳以上であること、②会社の代表権を有していること、③役員の就任から3年以上経過していることなどの要件があります。
    本特例の適用を受けるためには、受贈者である後継者は、受贈時において会社の代表権を有し、かつ、役員等の就任から3年以上が経過していなければならない。2018.1-50-3
  3. 適切。本特例の適用を受けるためには、贈与税の申告書の提出期限までに、猶予される贈与税額と利子税の額の合計額に見合う担保を提供する必要があります。このとき、特例の適用を受ける非上場株式等のすべてを担保として提供した場合には、贈与税額および利子税の額に相当する担保が提供されたものとみなされます。
    本特例の適用を受けるためには、贈与税の申告書の提出期限までに、納税が猶予される贈与税額と利子税の額の合計額に相当する担保を提供する必要があるが、本特例の適用を受ける非上場株式等のすべてを担保として提供した場合には、当該贈与税額および利子税の額に相当する担保が提供されたものとみなされる。2022.1-50-3
  4. 適切。贈与者が死亡した場合、適用を受けた非上場株式等は、後継者が相続または遺贈により取得したものとみなして、贈与時の価額により相続税の課税価格に算入されます。このとき、相続税の申告書に一定の書類を添付して納税地の税務署長に提出することにより相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができます。
    贈与者が死亡した場合、本特例の適用を受けた非上場株式等は、相続等により取得したものとみなして、相続時の価額により相続税の課税価格に算入されるが、一定の要件を満たせば、引き続き、相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができる。2022.1-50-4
    本特例の適用を受けた後に贈与者が死亡した場合、本特例の適用を受けた非上場株式等は、原則として、後継者が相続または遺贈により取得したものとみなして、相続時の価額により相続税の課税価格に算入される。2018.1-50-4
    本特例の適用を受けた後に贈与者が死亡した場合、本特例の適用を受けた非上場株式等は、原則として、相続または遺贈により取得したものとみなして、贈与時の価額により相続税の課税価格に算入される。2015.10-50-4
したがって不適切な記述は[1]です。