中小法人の資金計画(全17問中10問目)

No.10

厚生労働省の人材開発支援助成金(2019年度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2019年9月試験 問8
  1. 一般訓練コースの助成対象となる訓練には、企業の事業活動と区別して行われる訓練(Off-JT)と、適格な指導者の指導の下、企業内の事業活動のなかで行われる実務を通じた訓練(OJT)がある。
  2. 特定訓練コースの助成対象となる訓練は、教育訓練機関があらかじめ厚生労働大臣に申請して承認を受けたものおよび厚生労働大臣が専門的・実践的な教育訓練として指定したものに限られる。
  3. 特定訓練コースの助成には、「賃金助成」「経費助成」「実施助成」の3つがあり、企業が所定の生産性要件を満たす場合、助成額または助成率が引き上げられる。
  4. 教育訓練休暇付与コースは、有給の教育訓練休暇制度を導入した企業の労働者が、当該制度による休暇中に業務命令を受けて受講した一定の訓練が対象となる。

正解 3

問題難易度
肢118.1%
肢222.6%
肢350.9%
肢48.4%

解説

人材開発支援助成金は、雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職務に関連した専門的な知識及び技能を修得させるための職業訓練等を受講させる事業主等に対して助成する制度です。具体的には、訓練関連の各コースは、従業員の職業能力開発についての計画に基づいて訓練を行った事業主に対して、訓練経費と訓練期間中に支払った賃金の一部を助成します。

人材開発支援助成金制度(2019年度)には、以下の7つの助成メニューが用意されています。
  1. 特定訓練コース
  2. 一般訓練コース
  3. 教育訓練休暇付与コース
  4. 特別育成訓練コース
  5. 建設労働者認定訓練コース
  6. 建設労働者技能実習コース
  7. 障害者職業能力開発コース
  1. 不適切。一般訓練コースの助成対象となる訓練は、企業の事業活動と区別して行われる訓練(Off-JT)で、実訓練時間が20時間以上のものに限られます。
  2. 不適切。特定訓練コースの助成対象となる訓練は、厚生労働大臣が専門的・実践的な教育訓練と認定した専門実践教育訓練がありますが、他にも職業能力開発促進センターや職業能力開発大学校等で実施される高度職業訓練や、中小企業等経営強化法で認定された事業分野別の経営力向上推進機関が実施する訓練など多数あります。
  3. [適切]。特定訓練コースには、「賃金助成」「経費助成」「実施助成」の3つの助成があり、訓練後の労働生産性が所定割合以上に向上している企業については、助成率または助成額が引き上げられます。
  4. 不適切。教育訓練休暇付与コースは、自己啓発支援のために、有給教育訓練休暇制度または長期教育訓練休暇制度を導入し、労働者がその休暇を取得して教育訓練等(職業に必要な検定)を受けた場合に助成されます。ただし、本肢のように業務命令により受講させるものは助成金の対象外となります。
したがって適切な記述は[3]です。

参考URL: 厚生労働省「人材開発支援助成金」
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html