社会保険(全68問中10問目)

No.10

都道府県および市町村(特別区を含む)が保険者となる国民健康保険の保険料(保険税)と全国健康保険協会が管掌する健康保険の保険料に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2023年5月試験 問2
  1. 国民健康保険の保険料(保険税)は、基礎賦課額、後期高齢者支援金等賦課額および介護納付金賦課額の合算額であり、都道府県ごとにその算出方法や料率(税率)が定められている。
  2. 国民健康保険において、世帯主が被保険者ではない場合であっても、同じ世帯のなかに被保険者がいる場合、市町村(特別区を含む)は原則として当該世帯主から保険料(保険税)を徴収する。
  3. 健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、1,000分の30から1,000分の130までの範囲内において、全国健康保険協会の各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者および当該都道府県の区域内に住所または居所を有する任意継続被保険者を単位として全国健康保険協会が決定する。
  4. 産前産後休業を開始した健康保険の被保険者を使用している事業所の事業主が、保険者等に申し出たときは、その産前産後休業を開始した月から産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、事業主負担分と被保険者負担分の健康保険の保険料が免除される。

正解 1

問題難易度
肢140.6%
肢221.9%
肢321.4%
肢416.1%

解説

  1. [不適切]。国民健康保険の保険者は市町村(特別区を含む)なので、都道府県ごとではなく、市町村ごとに保険料の算出方法や料率(税率)を定めます(国保法76条)。自治体の財政状態や高齢者が多く医療費負担が重いなどの事情を勘案して、各市町村により「平等割」「均等割」「所得割」「資産割」の4つの基準によって保険料率が決まっています。なお、国民健康保険の保険料は、基礎賦課額(医療分)・後期高齢者支援金等賦課額(支援分)・介護納付金賦課額(介護分:40歳~64歳のみ)の3要素の合計額です。
  2. 適切。国民健康保険料の納税義務者は、被保険者が属する世帯の世帯主です。世帯主が勤務先の健康保険に加入している場合であっても、同世帯に国民健康保険の被保険者がいる場合、世帯主宛に納入通知書が送付されます(国保法76条)。
  3. 適切。健康保険料は一般保険料と介護保険料で構成されます。そのうち一般保険料の保険料率は、1,000分の30から1,000分の130(3%~13%)の範囲内において、都道府県ごとの各支部の被保険者を単位として全国健康保険協会が決定します(健保法160条)。
  4. 適切。産前産後休業期間中や育児休業期間中の被保険者に係る健康保険料・厚生年金保険料は、事業主が所定の手続きを行うことにより、事業主負担分、被保険者負担分のいずれも免除されます。保険料負担を免除される期間は、産前産後休業を開始した月から産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間です(健保法159条の3)。たとえば、4月10日から6月5日まで産前産後休業をした場合は、4月・5月が保険料免除の対象月となります。育児休業についても同じ期間の考え方です。
したがって不適切な記述は[1]です。