公的年金(全55問中12問目)
No.12
障害基礎年金および障害厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。2023年1月試験 問5
- 国民年金の被保険者ではない20歳前の期間に初診日のある傷病を支給事由とする障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が一定額を超える場合、その年の10月から翌年の9月まで、年金額の全部または2分の1(加算額を除く)に相当する額が支給停止される。
- 障害等級1級に該当する受給権者(新規裁定者)に支給される障害基礎年金の額(2024年度価額)は、その者によって生計を維持している16歳の子が1人いる場合、816,000円の1.25倍に相当する額に子の加算額(234,800円)を加算した額となる。
- 障害認定日において障害等級に該当する障害の状態でなかった者が、その傷病が重症化したことにより、67歳のときに障害等級1級または2級に該当する障害の状態に至った場合、その時点で障害基礎年金の支給を請求することができる。
- 障害等級1級または2級の障害厚生年金を受給している者が、婚姻により所定の要件を満たす65歳未満の配偶者を有するに至った場合、婚姻の日の属する月の翌月分から障害厚生年金の額に加給年金額が加算される。
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正解 3
問題難易度
肢128.4%
肢213.6%
肢343.2%
肢414.8%
肢213.6%
肢343.2%
肢414.8%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:5.公的年金
解説
- 適切。20歳前の年金制度未加入の期間に初診日のある傷病によって障害を負った場合でも、20歳に達した日において障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態にあるときは、障害基礎年金が支給されます(国年法30条の4)。ただし、受給権者の前年の所得が一定額を超える場合には、その年の10月から翌年の9月まで、年金額の全部または2分の1が支給停止となります(国年法36条の3)。
- 適切。67歳以下である新規裁定者の障害基礎年金の額は下記のとおりです(2024年度価額)。障害等級1級で子が1人いる場合は「816,000円×1.25+234,800円」となります(国年法33条の2)。
- 障害等級1級 年額816,000円×1.25+子の加算
- 障害等級2級 年額816,000円+子の加算
- <年金法上の子がいる場合の加算>
第1子・第2子 各 234,800円
第3子以降 各 78,300円
- [不適切]。障害基礎年金は、傷病の初診日から起算して1年6か月後の障害認定日において、障害等級に該当する程度の障害の状態がある者に支給されますが、障害認定日に障害等級に該当しなくても、その後65歳到達日の前日までにその傷病により障害等級に該当するに至ったときは、65歳に達するまでの間に限り障害基礎年金を請求することができます(国年法30条の2)。本肢は、事後重症となったのが67歳なので請求することはできません。
- 適切。障害等級2級以上の障害厚生年金では、障害厚生年金の受給権者によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるとき、配偶者加給年金額が加算されます※。この加給年金は、障害厚生年金の受給権取得時に婚姻していなくても、その後婚姻して対象となる配偶者を有することになれば翌月から支給されるようになります(厚年法50条の2第3項)。
※障害基礎年金は子の加算、障害厚生年金は配偶者の加算であることに注意しましょう。
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