企業年金・個人年金等(全34問中24問目)

No.24

中小企業退職金共済制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2017年1月試験 問6
  1. 新規加入時には業種に応じた基準を満たす中小企業者でなければならないが、既に共済契約者である事業主については、合併等により中小企業者に該当しなくなった場合であっても、退職金共済契約を継続することができる。
  2. 共済契約者である事業主(同居の親族のみを使用する事業主等を除く)が掛金月額1万8,000円以下の従業員の掛金を増額する場合、増額月から1年間、増額分の2分の1相当額について国の助成が受けられる。
  3. 退職金の支払方法について、10年間の全額分割払いを選択するためには、退職した日において60歳以上であり、かつ、退職金の額が300万円以上であることが必要である。
  4. 定年退職時に一括して受け取る退職金の額は、掛金納付月数が12カ月以上23カ月以下の場合は掛金納付総額を下回る額となり、24カ月以上42カ月以下の場合は掛金納付総額相当額となる。

正解 4

問題難易度
肢111.7%
肢215.6%
肢331.7%
肢441.0%

解説

  1. 不適切。中退共に加入できる企業は中小企業者に限られています。中小企業者に該当しなくなった場合には、「中小企業者でなくなったことの届」を提出することとなっており、この届出により退職金共済契約は解除されます(従業員には解約手当金が支払われます)。よって、退職金共済契約を継続することはできません。
  2. 不適切。中退共に加入している事業主が、掛金月額18,000円以下の従業員の掛金を増額する場合、増額した月から1年間、増額分の3分の1相当額について国の助成が受けられます。本肢の「2分の1」は新規加入時の助成割合なので誤りです。
  3. 不適切。中退共の退職金を分割払いで受け取るには、退職日の年齢が60歳以上である他、退職金の額が以下の所定額以上でなければなりません。所定額は5年分割払いの場合で80万円以上、10年分割払いの場合で150万円以上です。本肢の「300万円」という額は、小規模企業共済で分割払いを選択する際の要件です。
  4. [適切]。中退共の退職金の額と掛金総額の関係は以下の通りです。
    • 11カ月以下 … 支給なし
    • 12カ月以上23カ月以下 … 掛金総額未満
    • 24カ月以上42カ月以下 … 掛金総額相当額
    • 43カ月以上 … 掛金総額相当額+運用利息と付加退職金
したがって適切な記述は[4]です。