社会保険(全68問中60問目)

No.60

労働者災害補償保険の保険給付および特別支給金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2015年9月試験 問3
  1. 労働者が業務上の負傷または疾病により、労災指定病院で療養補償給付として受ける療養の給付については、労働者の一部負担金はない。
  2. 労働者が業務上の負傷または疾病による療養のために欠勤し、賃金を受けられない場合は、休業4日目から1日につき、休業補償給付として休業給付基礎日額の60%相当額が支給され、さらに休業特別支給金として休業給付基礎日額の20%相当額が支給される。
  3. 業務上の負傷または疾病によって療養している労働者について、当該負傷または疾病が療養の開始後1年6カ月を経過しても治らず、一定の傷病等級に該当した場合は、休業補償給付に加えて傷病等級に応じた傷病補償年金が支給される。
  4. 労働者が業務上の災害によって死亡し、その労働者の収入によって生計を維持していた遺族に遺族補償年金が支給される場合は、遺族特別年金および300万円の遺族特別支給金も支給される。

正解 3

問題難易度
肢18.2%
肢219.9%
肢353.3%
肢418.6%

解説

  1. 適切。業務上の災害により療養補償給付として受ける療養の給付については自己負担金はありません。一方、通勤災害のにより療養給付として受ける療養の給付については原則として200円の自己負担金があります(労働保険法31条3項)。
    ※自己負担金は休業給付から差し引かれたりするので実際に窓口で支払うことは多くありません。
  2. 適切。労働者が業務上の負傷や疾病の療養のために休業し、かつ、賃金を受けられないときには、休業4日目から給付基礎日額の60%相当額の休業補償給付、給付基礎日額の20%相当額の休業特別支給金が労災保険から支給されます(労災保険法14条、特別支給金支給規則3条)。
  3. [不適切]。傷病補償年金は、業務上の負傷や疾病によって療養している労働者が療養の開始後1年6カ月を経過しても治らない場合で、傷病等級第1級から第3級に該当するときに支給されます(労災保険法12条3項)。このときまで支給されていた休業補償給付は支給打ち切りとなり、その後支給されません(労災保険法18条2項)。
  4. 適切。遺族補償年金が支給される遺族には、併せて遺族の人数に応じて支給される遺族特別年金、定額300万円(対象者が複数人いる場合は按分して支給)の遺族特別支給金も支給されます(特別支給金支給規則9条、同5条)。
したがって不適切な記述は[3]です。