公的年金(全55問中9問目)
No.9
厚生年金保険法における離婚時の年金分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「離婚等をした場合における特例」による標準報酬の改定を合意分割といい、「被扶養配偶者である期間についての特例」による標準報酬の改定を3号分割という。2023年9月試験 問5
- 老齢厚生年金を受給している者について合意分割の請求が行われたときは、合意分割による改定または決定後の標準報酬を当該年金額の計算の基礎として再計算し、当該合意分割の請求のあった日の属する月の翌月分から年金額が改定される。
- 3号分割の対象期間は、2008年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者であった期間であり、原則として、その間の相手方の厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)は2分の1の割合で分割される。
- 離婚の相手方から分割を受けた厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)に係る期間は、分割を受けた者が老齢厚生年金の支給を受けるために必要となる受給資格期間に算入される。
- 合意分割の請求が行われた場合、婚姻期間に3号分割の対象となる期間が含まれるときは、原則として、合意分割と同時に3号分割の請求があったものとみなされる。
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正解 3
問題難易度
肢110.3%
肢214.0%
肢351.4%
肢424.3%
肢214.0%
肢351.4%
肢424.3%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:5.公的年金
解説
- 適切。既に年金を受給している人について合意分割・3号分割を請求した場合、年金額が再計算され、分割を請求した月の翌月分から年金額が改定されます(厚年法78条の10)。
- 適切。3号分割を請求すると、2008年(平成20年)4月1日以後の国民年金の第3号被保険者だった期間における相手方の厚生年金保険の保険料納付記録が、2分の1ずつ分割されます(厚年法78条の14)。
- [不適切]。受給資格期間には算入されません。離婚の相手方から分割を受けた厚生年金保険の保険料納付記録は、年金額の算定の基礎となりますが、老齢厚生年金の受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間が10年以上)には算入されません。そのほか、加給年金額の被保険者期間や遺族厚生年金の300月のみなし計算時の被保険者期間にも算入されません。これらの年金を受けるためには、自らの厚生年金の加入期間や国民年金保険料を納付した期間等によって受給資格期間を満たしていることが必要ということです。
- 適切。合意分割を請求した期間の中に3号分割の対象となる期間が含まれるときは、合意分割と同時に3号分割の請求があったとみなされます。この場合、先に3号分割が行われ、その結果を踏まえて全体として合意分割の按分割合となるように分割されます。結果的には、合意分割の割合で分割されることとなります(厚年法78条の20)。
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