生命保険(全79問中17問目)

No.17

X株式会社(以下、「X社」という)は、Y生命保険会社から提案された以下の養老保険への加入を検討している。当該養老保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

保険の種類
5年ごと利差配当付養老保険(特約付加なし)
契約者(=保険料負担者)
X社
被保険者
すべての役員・従業員
満期保険金受取人
X社
死亡保険金受取人
被保険者の遺族
保険期間・保険料払込期間
60歳満了
死亡保険金額
500万円(1人当たり)
年払保険料(合計)
900万円
2022年9月試験 問12
  1. 役員・従業員を一律の保険金額で加入させなくとも、職種・年齢・勤続年数等に応ずる合理的な基準により、普遍的に設けられた格差であると認められるときは、支払保険料の2分の1相当額を福利厚生費として損金の額に算入することができる。
  2. 役員・従業員の全部が同族関係者である場合、すべての役員・従業員を被保険者として加入しても、支払保険料の2分の1相当額は、当該被保険者に対する給与等として取り扱われる。
  3. 当該養老保険の満期保険金受取人をX社ではなく被保険者として加入した場合、支払保険料の全額が当該被保険者に対する給与等として取り扱われる。
  4. 保険期間中に被保険者である従業員が死亡し、死亡保険金が被保険者の遺族に支払われた場合、X社では、それまで資産に計上していた当該契約に係る保険料積立金および配当金積立金を取り崩し、死亡保険金との差額を雑収入として益金の額に算入する。

正解 4

問題難易度
肢110.4%
肢220.7%
肢323.3%
肢445.6%

解説

  1. 適切。保険加入の対象とする役員・従業員について、加入資格の有無、保険金額等に格差を設けている場合であっても、それが職種、年齢、勤続年数等に応ずる合理的な基準により、普遍的に設けられた格差であると認められるときは、差額も含めて福利厚生費として処理することができます(所基通36-31)。
  2. 適切。ハーフタックスプラン形式の養老保険であったとしても、役員または部課長その他特定の使用人(これらの者の親族を含む)のみを被保険者としている場合には、2分の1を福利厚生費とすることはできず、役員等への給与として経理処理します(法基通9-3-4)。
  3. 適切。死亡保険金と満期保険金の受取人がともに被保険者となるので、保険料の全額を被保険者に対する給与として処理します(法基通9-3-4)。
  4. [不適切]。被保険者が死亡すると死亡保険金がその従業員等の遺族に直接支払われるため、法人には入金がありません。法人側では、保険料積立金として資産計上していた額のうちその従業員に対応する額を取り崩し、その額を雑損失として経理処理します。
したがって不適切な記述は[4]です。