損害保険(全64問中29問目)

No.29

個人事業主が、所有する事業用建物が火災により焼失したことにより、加入する各種損害保険から受け取った保険金の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、いずれも契約者(=保険料負担者)は個人事業主であるものとする。
2020年1月試験 問15
  1. 事業用建物が火災により焼失し、建物を保険の対象とする火災保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は非課税となる。
  2. 事業用建物内で保管していた商品が火災により焼失し、商品を保険の対象とする火災保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は個人事業主の事業収入となる。
  3. 事業用建物内に設置していた営業用什器備品が火災により焼失し、営業用什器備品を保険の対象とする火災保険から廃棄損を上回る保険金を受け取った場合、当該保険金のうち廃棄損を上回る部分は個人事業主の事業収入となる。
  4. 事業用建物が火災により焼失したことにより業務不能となり、店舗休業保険から保険金を受け取った場合、当該保険金は個人事業主の事業収入となる。

正解 3

問題難易度
肢15.7%
肢216.8%
肢355.8%
肢421.7%

解説

  1. 適切。火災保険は火災や自然災害などで受けた損害を穴埋めするものなので、個人が受け取った火災保険金は所得税法上の非課税所得となります。
  2. 適切。販売するための商品や製品および原材料など、販売商品や棚卸資産などの損害に起因して個人が受け取った損害保険金は、売上の補填とみなされるので、事業収入に計上する必要があります。
  3. [不適切]。店舗や設備に対する損害保険の保険金は、保険金の受け取りによって利益は生じていないため非課税になり、受け取った保険金が損失を上回った場合でも、差額には課税されません。
  4. 適切。事業用建物・商品の焼失により業務不能となったことに起因して個人が受け取った店舗休業保険の保険金は、売上の補填と考えられるので、事業収入に計上する必要があります。
したがって不適切な記述は[3]です。