損害保険(全64問中44問目)

No.44

個人が自動車保険から受け取る保険金の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2017年9月試験 問15
  1. 自動車事故によりAさんが死亡し、Aさんの遺族に対して事故の相手方が加入する自動車保険の対人賠償保険から保険金が支払われた場合、Aさんの過失の有無にかかわらず、当該保険金については、所得税、相続税および贈与税の課税対象とならない。
  2. 自動車事故によりBさんの自家用車が全損し、Bさんに対して事故の相手方が加入する自動車保険の対物賠償保険から保険金が支払われた場合、Bさんの過失の有無にかかわらず、当該保険金については、所得税の課税対象とならない。
  3. 自動車事故により自家用車を運転していたCさんが死亡し、Cさんの遺族に対してCさんが加入する自動車保険の人身傷害(補償)保険から保険金が支払われた場合、Cさんの過失の有無にかかわらず、当該保険金については、所得税、相続税および贈与税の課税対象とならない。
  4. Dさんが所有する自家用車が盗難に遭い、Dさんに対してDさんが加入する自動車保険の車両保険から保険金が支払われた場合、当該保険金については、所得税の課税対象とならない。

正解 3

問題難易度
肢112.5%
肢214.1%
肢352.5%
肢420.9%

解説

  1. 適切。自動車保険の対人事故により支払われる対人賠償保険や、対物事故により支払われる保険金や対物賠償保険などの事故により支払われる保険金は、所得税法の非課税所得です。個人の所得として所得税の対象範囲となるものは、相続税・贈与税では課税対象外になります。
  2. 適切。自動車保険の対人事故により支払われる対人賠償保険や、対物事故により支払われる保険金や対物賠償保険などの事故により支払われる保険金は、所得税法における非課税所得です。
  3. [不適切]。自動車保険の人身傷害(補償)保険で支払われる保険金は、死亡保険金のうち相手からの損害賠償部分(過失割合分)は非課税になりますが、死亡した本人の過失割合分は相続税の課税対象となります。その部分は自己のためにする保険契約から支払われる保険金だからです。
  4. 適切。自動車が盗難されると、車両保険からその自動車の調達価格相当額の保険金が支払われます。利益が出たわけではないので、代わりの自動車を買う・買わないにかかわらず当該保険金は非課税となります。
したがって不適切な記述は[3]です。