損害保険(全64問中46問目)

No.46

各種損害保険に付帯することができる個人賠償責任(補償)特約(以下、「本特約」という)の一般的な補償内容に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
2017年1月試験 問14
  1. 本特約では、被保険者が預かった財物を誤って損壊し、その財物について正当な権利を有する者に対する法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害は、補償の対象とならない。
  2. 本特約では、被保険者が居住の用に供している住宅の管理に起因する偶然な事故により法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害は補償の対象となるが、別荘などの一時的に居住の用に供する住宅の管理に起因する事故は対象とならない。
  3. 本特約では、被保険者が自転車で走行中に起こした偶然な事故により法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害は補償の対象となるが、自動車や原動機付自転車を運転中に起こした事故は対象とならない。
  4. 本特約では、民法第709条に規定する不法行為による損害賠償のうち、被保険者の故意によって生じた損害賠償責任を負うことによって被る損害は、補償の対象とならない。

正解 2

問題難易度
肢124.8%
肢249.3%
肢316.7%
肢49.2%

解説

個人賠償責任特約は、日常生活における偶然の事故により生じた、法律上の賠償責任の損害に対して保険金が支払われます。ただし、以下の事故は補償対象外とされています。
  • 故意による事故
  • 職務遂行に直接起因する事故
  • 借り物や預かり物に生じた損害
  • 同居の親族に対する賠償責任
  • 自動車(原付・バイク含む)、航空機、船舶の所有・使用・管理による事故
  1. 適切。他人から預かった財物や借り物などを誤って損壊しても補償されません。
  2. [不適切]。個人が居住している住居の所有・使用・管理や日常生活で起きた偶然な事故によって損害を与えた場合には、本特約で補償されます。住居には、別荘などの一時的に居住の用に供する住宅も対象に含まれます。
  3. 適切。自動車や原動機付自転車を運転中に起こした事故は補償されません。
  4. 適切。故意による事故で生じた賠償責任は補償されません。民法で定める不法行為責任は「故意」または「過失」によって他人の権利や利益を侵害した場合に負う賠償責任ですが、個人賠償責任特約がカバーするのは不法行為責任のうち過失によるものだけということです。
したがって不適切な記述は[2]です。