生命保険(全79問中59問目)

No.59

個人が契約する個人年金保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2017年1月試験 問12
  1. 一時払変額個人年金保険(終身年金)を保険期間の初日から5年以内に解約し、解約差益が生じた場合、いわゆる金融類似商品として、その解約差益は源泉分離課税の対象となる。
  2. 外貨建て変額個人年金保険(10年確定年金)を保険期間の初日から10年経過後に解約し、解約差益が生じた場合、解約差益のうち保険差益に相当する部分の金額は一時所得として所得税の課税対象となり、為替差益に相当する部分の金額は雑所得として所得税の課税対象となる。
  3. 定額個人年金保険(保証期間付終身年金)の契約者(=保険料負担者)かつ年金受取人が、年金支払開始日後に保証期間分の年金額を一括して受け取った場合、当該一時金は雑所得として所得税の課税対象となる。
  4. 外貨建て変額個人年金保険(10年確定年金)の契約者(=保険料負担者)かつ被保険者が死亡し、その相続人に死亡保険金が外貨で支払われた場合、その死亡保険金について被保険者が死亡した日のTTM(対顧客電信仲値)により邦貨換算された金額が相続税の課税対象となる。

正解 3

問題難易度
肢115.0%
肢29.2%
肢365.5%
肢410.3%

解説

  1. 不適切。一時払変額保険、一時払(変額)養老保険、一時払(変額)個人年金保険(確定年金に限る)を契約から5年以内に解約した場合、その保険差益は源泉分離課税の対象となります。しかし、終身年金タイプの保険差益は解約時期にかかわらず常に一時所得として総合課税の対象となります。
  2. 不適切。契約から5年超の外貨建て変額個人年金保険を解約したときの為替差損益は、生じた保険差益と合算する形で一時所得として所得税の課税対象となります。なお、5年以内の解約における為替差損益は源泉分離課税となります。
  3. [適切]。確定年金タイプの年金を一括で受け取る場合は一時所得になりますが、保証期間付終身年金の保証期間分を一時金として受け取る場合は雑所得となります。
    もう少し詳しく説明すると、個人年金保険では、年金支払開始日以後に保証期間分の年金額を一括して受け取る場合、それが「将来の年金給付の総額に代えて支払われるもの」であれば一時所得に、そうでなければ雑所得になります(所基通35-3)。保証期間付きの有期年金や終身年金では、保証期間終了後に被保険者が生存していれば再び年金を受け取ることができるので、年金給付の総額に代えて受け取ることにはなりません。よって、雑所得として課税されます。
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  4. 不適切。外貨建て保険の死亡給付金の円換算レートは、その死亡保険金が贈与税・相続税の対象となる場合にはTTB、所得税の対象になる場合はTTMです(いずれも支払事由発生日のレート)。
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したがって適切な記述は[3]です。