金融派生商品(全22問中12問目)

No.12

オプション取引による一般的なリスクヘッジに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2019年9月試験 問21
  1. 東証株価指数(TOPIX)を原資産とするコール・オプションの購入は、東証株価指数(TOPIX)が下落することに対するヘッジとなる。
  2. ドル・プット/円・コールの購入は、ドルの対円相場が上昇するドル高/円安に対するヘッジとなる。
  3. フロアの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。
  4. ペイヤーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。

正解 3

問題難易度
肢18.2%
肢217.8%
肢364.9%
肢49.1%

解説

  1. 不適切。コール・オプションとは、ある原資産を買う権利のことをいい、原資産が東証株価指数(TOPIX)の場合、コール・オプションは「ある日時に、ある価格で東証株価指数(TOPIX)を買う権利」を意味します。
    東証株価指数(TOPIX)が下落した場合、現在よりも高い価格で購入できる権利があるだけなので、下落に対するヘッジ(リスクを避ける効果)にはなりません。逆に上昇することに対するヘッジと言えます。
  2. 不適切。円とドルをペアとする場合、ドル・プット/円・コールの購入はドルを売って円を買うものになるので、円の対ドル相場が上昇するドル安/円高に対するヘッジとなります。
  3. [適切]。フロアとは金利オプションの一種で、対象とする金利が下限金利を下回った場合に、フロアの売り手がフロアの買い手に対して超過下落金利相当分の金額を支払うことを約する契約で、フロアの買い手は売り手に対してオプション料(プレミアム)を支払います。
    買い手は金利下落のリスクヘッジになり、売り手はコスト低減に利用します。
  4. 不適切。ペイヤーズスワップションとは、オプション保有者が、固定金利を支払い、変動金利を受け取る金利スワップを実行するオプションのことをいいます。
    金利上昇局面を迎えた場合に、金利スワップを実行できるため、金利上昇のヘッジとなります。
したがって適切な記述は[3]です。