預貯金・金融類似商品(全14問中14問目)

No.14

後見制度支援信託および遺言代用信託に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2015年9月試験 問18
  1. 後見制度支援信託は、被後見人、被保佐人または被補助人の財産のうち、日常的な支払をするのに必要な金銭を預貯金等として後見人等が管理し、通常使用しない金銭を信託銀行等に信託する仕組みである。
  2. 後見制度支援信託では、信託契約の締結、一時金の交付、信託の変更・解約等の手続が、あらかじめ家庭裁判所が発行する指示書に基づいて行われる。
  3. 遺言代用信託は、委託者の生存中は委託者本人が受益者として給付を受け、委託者の死亡後には、委託者が信託設定にあたって作成した公正証書遺言がある場合に当該遺言により指定された者が給付を受けることができる仕組みである。
  4. 国内の信託銀行で取り扱っている後見制度支援信託および遺言代用信託は、いずれも信託財産の元本が保証されておらず、預金保険制度の保護の対象とならない。

正解 2

問題難易度
肢110.2%
肢263.7%
肢315.3%
肢410.8%

解説

  1. 不適切。後見制度支援信託は、法定被後見人の財産保護と生活の安定を目的として、法定被後見人の財産のうち、日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託するものです(信託財産は金銭に限られる)。本信託の対象となるのは法定被後見人だけですので、被保佐人、被補助人、任意被後見人は対象外です。
  2. [適切]。後見制度支援信託を利用するうえで、一時金の交付、定期交付金額の変更、追加信託や信託の解約を行うためには、あらかじめ家庭裁判所が発行する指示書が必要になります。
  3. 不適切。遺言代用信託は、委託者の生存中は委託者のために財産を管理・運用をし、委託者本人が受益者として給付を受け、委託者の死亡後は、あらかじめ指定された人が受益者となることができるものです。遺言に代わって財産の分配を行う仕組みであり、公正証書遺言等による遺言の必要はありません。
  4. 不適切。後見制度支援信託および遺言代用信託により信託された財産は、いずれも元本が保証されているため、預金保険制度による保護の対象となります。
したがって適切な記述は[2]です。