金融派生商品(全22問中16問目)

No.16

オプション取引による一般的なリスクヘッジに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2016年9月試験 問21
  1. 東証株価指数を原資産とするプット・オプションの購入は、東証株価指数が下落することに対するヘッジとなる。
  2. ドル・コール/円・プットの購入は、ドルの対円相場が上昇するドル高/円安に対するヘッジとなる。
  3. キャップの購入は、対象となる金利が低下することに対するヘッジとなる。
  4. レシーバーズ・スワップションの購入は、スワップ金利が低下することに対するヘッジとなる。

正解 3

問題難易度
肢19.5%
肢219.8%
肢360.2%
肢410.5%

解説

  1. 適切。プットオプションとは、ある商品を将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格(=権利行使価格)で売る権利のことです。
    プットオプションの価値は、対象となる原資産価格が下落すると高くなるので、東証株価指数を原資産とするプット・オプションの購入は、東証株価指数が下落することに対するヘッジとなります。
  2. 適切。ドル・コール/円プットというオプションの購入は、ドル買い・円売りということになるので、ドルの価値が上昇するドル高/円安に対するヘッジになります。
  3. [不適切]。金利キャップとは、オプション(キャップ)の買い手が売り手に対してオプション料(プレミアム)を支払うことによって、契約期間中の各金利更改日に基準金利を上回った場合に、その超過金利分の差額を受け取ることができる取引をいいます。キャップですので上限に帽子をかぶせるイメージです。
    本肢のように金利が低下することに対するヘッジとして購入するのは、基準金利を下回った場合に、その超過金利分の差額を受け取ることができる金利フロアです。
  4. 適切。レシーバーズ・スワップションとは、オプションの買い手が変動金利を支払って、固定金利を受け取る金利スワップを実行するオプションになるので、金利が低下する局面で金利スワップを実行することができ、金利の低下に対するヘッジになります。
したがって不適切な記述は[3]です。