ポートフォリオ運用(全23問中16問目)
No.16
資本資産評価モデル(CAPM)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、β(ベータ)値は1より大きく、安全資産利子率はゼロではないものとする。2019年1月試験 問21
- 資本資産評価モデル(CAPM)によるポートフォリオの期待収益率の算出にあたって、安全資産利子率は、一般に、当該ポートフォリオに組み入れる資産の過去の平均収益率を用いる。
- 資本資産評価モデル(CAPM)におけるβ(ベータ)値は、市場全体に対するポートフォリオのアンシステマティック・リスクを測定した値である。
- ポートフォリオのβ(ベータ)値が、同じ市場を対象とする他のポートフォリオのβ(ベータ)値の2倍である場合、資本資産評価モデル(CAPM)により算出されるポートフォリオの期待収益率も2倍となる。
- 資本資産評価モデル(CAPM)によれば、同じ市場を対象とする2つのポートフォリオを比較した場合、β(ベータ)値が大きいポートフォリオのほうが、市場全体の変動の影響をより大きく受けるため、ポートフォリオのリスクが高いといえる。
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正解 4
問題難易度
肢16.5%
肢211.6%
肢320.6%
肢461.3%
肢211.6%
肢320.6%
肢461.3%
分野
科目:C.金融資産運用細目:9.ポートフォリオ運用
解説
資本資産評価モデル(CAPM、キャップエム)は、特定の資産やポートフォリオについて通常期待されるリターンを求めるモデルです。10年物国債の利子などの安全資産利益率と、マーケットプレミアムにβ値を乗じたものの和を期待収益率とします。β値は評価対象ポートフォリオのシステマティック・リスクであり、マーケット全体が1%変化したときに、対象の資産の収益率が何%変化するのかという連動性を表します。
- 不適切。安全資産利子率には無リスク資産(10年物国債など)の利子率を用います。ポートフォリオに組み入れるのはリスク資産ですので、安全資産利子率として使用することはできません。
- 不適切。アンシステマティック・リスクではありません。β値は、市場全体の値動きに対する評価対象ポートフォリオのシステマティック・リスクを測定したものです。
- 不適切。β値は式全体に掛かっておらず、マーケットリスク・プレミアムだけに掛かっています。β値が2倍であればマーケットリスク・プレミアムは2倍になりますが、安全資産利子率はそのままなので、期待収益率は2倍未満にしかなりません。
- [適切]。β値は、市場全体の値動きに対する評価対象ポートフォリオの感応度を示したものです。β値が高いほど、そのポートフォリオは市場全体の値動きに強く反応するのでリスクは高くなります。
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