投資信託(全27問中17問目)

No.17

株式投資信託の運用スタイルに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2018年9月試験 問17
  1. PERやPBRなどの指標を用いて、企業の業績や財務内容等から株価が割安と判断される銘柄を選定して運用する手法は、一般に、グロース運用という。
  2. 長期間保有することを前提に成長性を重視して選定した銘柄と、短期間で売買することを前提に収益性を重視して選定した銘柄を、一定の比率で組み合わせて運用する手法は、一般に、ロング・ショート運用という。
  3. 時価総額と流動性が高い銘柄を選定して運用する手法は、一般に、スマートベータ運用といい、リターンがTOPIX等の市場平均に連動する傾向があるとされる。
  4. 株価が割安と判断される銘柄の買建てと割高と判断される銘柄の売建てを同程度行い、市場全体の価格変動による影響を受けずに安定的な収益獲得を目指して運用する手法は、一般に、マーケット・ニュートラル運用という。

正解 4

問題難易度
肢15.3%
肢222.6%
肢312.8%
肢459.3%

解説

  1. 不適切。グロース運用とは、今後の成長性を評価して投資する企業の成長性が市場平均よりも高いと期待される銘柄に投資する手法です。PERやPBRの数値を選定基準にするのはバリュー投資です。
  2. 不適切。ロング・ショート運用とは、割安とみられる銘柄を買い建て(ロング)、その一方で割高と判断される銘柄を売り建てる(ショート)ことで、市場全体が値上がりした時も値下がりしたときのどちらでも一定の運用利益を出す運用方法です。長期保有銘柄(コア:核)と短期売買銘柄(サテライト:衛星)を組み合わせて運用する手法は、コア・サテライト運用と呼ばれます。
  3. 不適切。スマートベータ運用は、TOPIX(浮動株・時価総額加重平均)以外のより優れた方法で新しい指数を作って、その指数に連動する運用を行うことでTOPIXなどの市場平均を上回るリターンを得ようとする運用方法です。インデックス投資では、市場全体に連動するように時価総額の大きい銘柄により多く投資する傾向がありますが、スマートベータ運用は財務指標等の定量的なルールに基づいて銘柄の選択を行います。よって、本肢の「時価総額の大きい銘柄を選定して運用する」という点が誤りです。
  4. [適切]。マーケット・ニュートラル運用とは、買い建て(ロング)する金額と同額の売り建て(ショート)を行う手法です。割安な銘柄を買い建て、割高な銘柄を売り建てることで、市場全体の値動きに影響されずに運用利益を出そうとする運用方法です。買い建てと売り建ての金額が異なる場合には「ロング・ショート運用」に分類されます。
したがって適切な記述は[4]です。