マーケット環境の理解(全24問中23問目)

No.23

日本銀行が実施している金融政策および金融調節に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2015年9月試験 問17
  1. 2013年1月の政策委員会・金融政策決定会合において、消費者物価の前年比上昇率2%とする「物価安定の目標」が導入された。
  2. 金融市場調節の操作目標に採用されているマネタリーベースは、「日本銀行券発行高」「貨幣流通高」「日銀当座預金」の合計値である。
  3. 日本銀行が国債売買基本要領に基づいて行う国債買入れでは、量的・質的金融緩和の実施に際し、日本銀行が保有する長期国債の残高を銀行券発行残高以下とする、いわゆる「銀行券ルール」が遵守されている。
  4. 日本銀行による資金供給オペレーション(買いオペレーション)では、長期国債や社債等のほか、金融商品取引所に上場されている上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J-REIT)も買入対象とされている。

正解 3

問題難易度
肢15.4%
肢223.2%
肢348.4%
肢423.0%

解説

  1. 適切。日本銀行は、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することを理念として金融政策を運営しているなどの認識のもと、平成25年1月の政策委員会・金融政策決定会合で、消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を導入しました。
  2. 適切。マネタリーベースは、無担保コールレートから新たに金融市場調節の操作目標に採用された日本銀行が世に直接的に供給するお金のことで、「日本銀行券発行高」「貨幣流通高」「日銀当座預金」の合計値になります。
  3. [不適切]。量的・質的金融緩和の実施に際して、長期国債の買い入れを拡充するため、日本銀行が保有する長期国債の残高を銀行券発行残高の範囲内とする「銀行券ルール」の適用は一時停止となっています。
  4. 適切。資金供給オペレーション(買いオペレーション)は、金融市場へ流れる資金を供給する金融政策のことで、長期国債や社債および上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J-REIT)が買い入れの対象となります。
したがって不適切な記述は[3]です。