FP1級分野別過去問題-金融資産運用-株式投資 No.39

株式投資（全46問中39問目）

株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

2015年9月試験　問22

株価水準を判断する指標の1つであるイールドスプレッドは、PBR（株価純資産倍率）の逆数である株式益利回りと長期債利回りの乖離として定義される。
ROE（自己資本純利益率）の計算に用いる自己資本とは、貸借対照表上の純資産の部の合計額から少数株主持分、新株予約権およびその他の包括利益累計額を控除した金額である。
売上高純利益率が2.0％、総資本回転率が1.5回、自己資本比率が40.0％である場合のROE（自己資本純利益率）は、7.5％である。
サスティナブル成長率は、企業の内部留保と利益率をもとに今後の成長率を予測する際に用いる指標であり、ROA（使用総資本事業利益率）に内部留保率を乗じて算出される。

問題難易度

肢16.9%
肢217.4%
肢365.5%
肢410.2%

不適切。イールドスプレッドは、株価水準を判断する指標で、長期債利回りから、PER（株価収益率）の逆数である株式益利回りを引いて求めます。イールドスプレッドが小さい（大きい）ほど、株価は割安（割高）と判断されます。
不適切。ROE（自己資本純利益率）の計算に用いる自己資本は、貸借対照表の純資産の合計額から"少数株主持分"と"新株予約権"を差し引いた金額になります。なお、この自己資本からその他の包括利益累計額を差し引いた金額が株主資本の合計額になります。
[適切]。ROE（自己資本純利益率）は「当期純利益÷自己資本×100」で算出されます。ROEは、売上高純利益率、総資本回転率、自己資本比率に分解でき、

　ROE＝売上高純利益率×総資本回転率÷自己資本比率

という式で表せるので、設問の各値を当てはめると、

　ROE：0.02×1.5÷0.4＝0.075＝7.5％

したがって記述は適切です。
不適切。サスティナブル成長率は、企業価値を測る指標で外部からの資金調達を行わずに内部投資のみで実現できる成長率を予測する際に用いられ、ROE（自己資本純利益率）に内部留保率（1－配当性向）を乗じて算出されます。

したがって適切な記述は[3]です。