セーフティネット(全14問中5問目)

No.5

「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律」(預金者保護法)に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。なお、金融機関に過失はないものとし、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
  1. 偽造されたキャッシュカードによる預金等の不正払戻しについては、金融機関から生年月日等の他人に類推されやすい暗証番号を別の番号に変更するように複数回にわたる働きかけが行われたにもかかわらず、引き続き、生年月日等を暗証番号にしていた場合など、顧客に過失が認められる場合、被害額の75%相当額が補償の対象となる。
  2. 盗取されたキャッシュカードによる預金等の不正払戻しについては、顧客が他人に暗証番号を知らせた場合やキャッシュカード上に暗証番号を書き記していた場合など、顧客に重大な過失が認められる場合であっても、被害額の全額が補填される。
  3. 盗取されたキャッシュカードによる預金等の不正払戻しについて、補償の対象となる被害額は、やむを得ない特別の事情がある場合を除き、金融機関に対して盗取された旨の通知があった日から30日前の日以降において行われた不正払戻しの額とされる。
2022年5月試験 問24
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 1

問題難易度
肢154.1%
肢229.7%
肢36.1%
肢410.1%

解説

  1. 不適切。偽造されたキャッシュカードによる預金等の不正払戻しについては、①預貯金者の故意または②金融機関が善意無過失かつ預貯金者の重過失を金融機関が立証しない限り、無権利者に対する払戻しは無効となります。軽過失である本肢のケースでは預貯金債権は消滅しないので、預貯金者は金融機関に対して不正払戻し分についても払戻し請求をすることができます。このため特に補償措置は設けられていません(預金者保護法4条)。
  2. 不適切。盗難キャッシュカードによる預貯金等の不正払戻しがあった場合は、預貯金者の過失の有無等により補償額が以下のように変わります(預金者保護法5条1項~3項)。預貯金者に重大な過失が認められる場合には"補償なし"となるため誤りです。
    預貯金者が無過失、または金融機関が善意無過失ではない
    払い戻された預貯金の全額が補填対象
    金融機関が善意無過失で、預貯金者に過失あり
    払い戻された預貯金の75%が補填対象
    預貯金者の故意、または金融機関が善意無過失かつ預貯金者に重大な過失あり
    補填なし
  3. 適切。盗難キャッシュカードによる預貯金等の不正払戻しについて補償の対象となる被害額は、原則として預貯金者が金融機関に対し盗取された旨の通知をした日の30日前の日以降に遭った被害に限られます(預金者保護法5条6項)。
したがって適切なものは「1つ」です。