預貯金・金融類似商品(全14問中5問目)

No.5

各種信託商品の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2022年1月試験 問17
  1. 遺言代用信託は、利用者本人が信託銀行等と信託契約を締結し、委託者である利用者本人を第一受益者、相続開始後はあらかじめ指定した配偶者等を第二受益者として設定する信託商品であり、財産の分配を信託により実現するものである。
  2. 後見制度支援信託は、利用者本人の判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、家庭裁判所に対して任意後見監督人の選任を請求し、委託者および受益者を利用者本人である任意被後見人、受託者を信託銀行等とする信託商品である。
  3. 教育資金贈与信託の委託者は、受益者の直系尊属であり、かつ、信託契約を締結する日において60歳以上の者とされている。
  4. 特定寄附信託は、特定障害者の生活の安定に資することを目的に設定される信託であり、委託者が拠出する信託財産について、受益者が特別障害者の場合は6,000万円、特別障害者以外の特定障害者の場合は3,000万円を限度に贈与税が非課税とされる。

正解 1

問題難易度
肢137.2%
肢215.6%
肢312.5%
肢434.7%

解説

  1. [適切]。遺言代用信託は、委託者の生存中は委託者のために財産を管理・運用をし、委託者本人が受益者として給付を受け、委託者の死亡後は、あらかじめ指定された人が受益者となって遺産の分配を受ける仕組みです。一時金や年金での受取りなど、契約時に給付方法や額をあらかじめ決めておくことができます。
  2. 不適切。後見制度支援信託は、法定被後見人の財産を保護し生活の安定に資するために、法定被後見人の財産のうち、日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託するものです(信託財産は金銭に限られる)。委託者=受益者となる自益信託で、交付等の手続きは家庭裁判所が発行する指示書に基づいて行われます。なお、本信託の対象となるのは法定被後見人だけですので、被保佐人、被補助人、任意被後見人は対象外です。
  3. 不適切。教育資金贈与信託の委託者は、受益者の直系尊属であれば年齢制限はありません。ただし、受益者は30歳未満であることが要件になります。
  4. 不適切。本肢は特定贈与信託に関する説明です。特定寄附信託は、信託された金銭とその運用収益を特定の公益法人やNPO等に寄附することを目的とする信託です。
したがって適切な記述は[1]です。