所得税の申告と納付(全20問中10問目)

No.10

所得税の確定申告等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2019年1月試験 問30
  1. 同族会社の役員が、当該同族会社に資金を貸し付け、役員給与のほかにその利子の支払を受けている場合、役員給与および利子の額にかかわらず、確定申告を行う必要がある。
  2. 給与所得者が、その年中に支払った医療費に係る医療費控除の適用を受けることにより、給与等から源泉徴収された所得税額の還付を受けるための還付申告書は、翌年以降5年間、提出することができる。
  3. 確定申告により納付すべき所得税額の2分の1に相当する金額以上の所得税を納期限までに納付した者は、納期限までに納税地の所轄税務署長に延納届出書を提出することにより、原則として、その年の5月31日までその残額の納付を延期することができる。
  4. 税務署長が行った更正や決定などの処分の取消しを求めて国税不服審判所長に対して審査請求をする場合、あらかじめ当該税務署長に対して再調査の請求をしなければならない。

正解 4

問題難易度
肢112.1%
肢218.7%
肢311.2%
肢458.0%

解説

  1. 適切。同族会社の役員等が会社に資金を貸し付け、その会社から役員給与のほかにその利子の支払いを受けている場合、その金額の多寡にかかわらず(20万円以下であったとしても)確定申告を行う必要があります。役員が同族法人から受け取る家賃も同様です。なぜなら、普通の人と同じように20万円以下は無申告でOKとしてしまうと、同族法人から役員に対して毎年20万円のお金を無税で移転できてしまうからです。
  2. 適切。所得税の還付申告書は、課税期間の翌年1月1日から5年間提出することができます。
  3. 適切。確定申告により納付すべき所得税額の2分の1以上の金額を納期限(原則は3月15日)までに納付した場合は、期限までに納税地の所轄税務署長に延納届出書を提出することで、残りの額の納付をその年の5月31日まで延期することができます。
  4. [不適切]。税務署長が行った更正や決定など処分に不服がある場合は、処分の通知を受けた日の翌日から3ヶ月以内に国税不服審判所長に対する審査請求、もしくは、税務署長に対する再調査の請求のどちらかを納税者が選択して行うことができます。
したがって不適切な記述は[4]です。