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法人税(全69問中11問目)
No.11
法人税における役員給与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人はいずれも内国法人(普通法人)であるものとする。2023年9月試験 問31
- 事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3カ月以内に給与改定された場合で、その改定前の各支給時期の支給額が同額で、改定後の各支給時期の支給額が同額であれば、原則として、定期同額給与として全額を損金の額に算入することができる。
- 事前確定届出給与の届出書は、株主総会等により役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めを決議した日から2カ月を経過する日までに提出しなければならない。
- 役員に対し、事前確定届出給与としてあらかじめ税務署長に届け出た金額よりも多い金額を役員賞与として支給した場合、原則として、当該役員賞与は事前確定届出給与として届け出た金額を限度として損金の額に算入することができる。
- 業績連動給与は、業務執行役員に対し、利益等の指標を基礎として算定される額を金銭等で支給する給与であり、その支給をする法人が同族会社以外の法人である場合に限り、その支給額を損金の額に算入することができる。
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正解 1
問題難易度
肢150.8%
肢216.0%
肢314.8%
肢418.4%
肢216.0%
肢314.8%
肢418.4%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:10.法人税
解説
- [適切]。定期同額給与とは、その支給時期が1月以下の一定の期間ごとである給与で、各支給時期における①支給額または②毎月供与される経済的利益の額が概ね一定であるものをいいます。定期同額給与を改定する場合は、原則として事業年度開始の日から3カ月以内に給与改定すれば定期同額給与として認められ、改定後の支給額に関しても全額を損金の額に算入できます。3か月の猶予があるのは、通常、役員給与の改定は、各事業年度終了後3か月以内に行われる株主総会で承認を受けることが多いためです(法人税法令69条1項1号)。
- 不適切。事前確定届出給与の届出書は、①株主総会の決議から1カ月以内と②事業年度開始日から4カ月以内のいずれか早い日までに、納税地の税務署長に届出が必要です。なお、新設法人の場合は設立日から2カ月以内が提出期限となります(法人税法令69条4項)。
- 不適切。事前確定届出給与とは、事前に税務署に届出をして支払う給与のことです。届出どおりに支払えば全額を損金算入することができますが、届け出た支給額と実際の支給額が1円でも異なる場合には、事前確定届出給与に該当しないこととなり、支給額の全額が損金不算入になります(法人税法34条1項2号)。
- 不適切。業績連動給与は「利益」「株式」「売上高」といった客観的な指標を基礎として、業務執行役員の給与を金銭で支給するもので、業績により役員の給与が変動します。要件を満たせば、業績連動給与の支給額を損金の額に算入することができます。この制度は、原則として同族会社には適用されませんが、その同族会社が非同族会社の完全子会社である場合には適用することができます(法人税法34条1項3号)。
【参考】2017年の税制改正により一部の同族会社も業績連動給与が適用できるようになりました。それ以前は、同族会社の適用は認められていませんでした。
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