所得控除(全31問中17問目)

No.17

居住者に係る所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要な要件等はすべて満たしているものとする。
2019年5月試験 問27
  1. 納税者が生計を一にする親族に係る医療費を支払った場合、親族の合計所得金額が48万円を超えるときは、その支払った医療費は納税者の医療費控除の対象とならない。
  2. 納税者が生計を一にする親族に係る社会保険料を支払った場合、親族の合計所得金額が48万円を超えていても、その支払った社会保険料は納税者の社会保険料控除の対象となる。
  3. 納税者が生計を一にする配偶者に係る確定拠出年金の個人型年金の掛金を支払った場合、配偶者の合計所得金額が48万円以下であるときは、その支払った掛金は納税者の小規模企業共済等掛金控除の対象となる。
  4. 納税者が生計を一にする配偶者を保険金受取人とする生命保険契約の保険料を支払った場合、当該生命保険契約の契約者が配偶者であるときは、その支払った保険料は納税者の生命保険料控除の対象とならない。

正解 2

問題難易度
肢15.1%
肢267.8%
肢39.8%
肢417.3%

解説

  1. 不適切。医療費控除は、本人および生計を一にする親族に係る医療費を支払った場合に控除の対象となりますが、対象となる親族に合計所得金額による制限はありません。
  2. [適切]。社会保険料控除は、納税者が本人および生計を一にする親族に係る社会保険料を支払った場合に控除の対象となります。親族の合計所得金額にかかわらず、納税者が支払った全額が控除の対象となります。
  3. 不適切。iDeCoや小規模企業共済の掛金等を拠出した場合には、その全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象となりますが、控除できる対象者は加入者本人のみです。iDeCoの掛金は加入者本人の口座から引き落とされるようになっており、形式上は配偶者の掛金を納税者が支払うことはできません。
  4. 不適切。生命保険料控除の対象となる保険契約は、納税者本人が保険料を支払っており、保険金等の受取人が本人または配偶者その他親族となっているものです。保険契約の契約者が配偶者であっても、納税者が保険料支払ったことが明らかであれば納税者本人の生命保険料控除とすることができます。
    本肢は受取人が配偶者、保険料支払者が納税者ですので、支払った保険料を納税者の生命保険料控除の対象にできます。
したがって適切な記述は[2]です。