所得控除(全31問中20問目)

No.20

居住者に係る所得税の医療費控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、「特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例」は考慮しないものとする。
2018年1月試験 問28
  1. 薬局や薬店などで市販されているかぜ薬の購入費用は、その購入にあたって医師の処方や指示がない場合には、医療費控除の対象とならない。
  2. 医師による診療を受けるために自家用車で通院した場合、通院のための走行距離を基に算出したガソリン代や駐車場の料金は、医療費控除の対象となる。
  3. 支払った医療費のうち、事業専従者に該当する配偶者または合計所得金額が48万円を超える配偶者に係る医療費は、医療費控除の対象とならない。
  4. 支払った医療費を補てんする保険金は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引くことになるため、医療費控除額の計算上、引ききれない金額が生じた場合であっても、他の医療費の金額からは差し引かない。

正解 4

問題難易度
肢112.1%
肢28.2%
肢310.2%
肢469.5%

解説

  1. 不適切。医師の処方などにより購入する医薬品のほか、医師の処方や指示がない場合でも薬局や薬店などで市販されている一般的な医療品のうち、治療または療養に必要な医薬品の購入の対価も、医療費控除の対象となります。
  2. 不適切。通院のために電車やバス等の公共交通機関を利用したときの費用は医療費控除の対象となりますが、自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車料金は、医療費控除の対象となりません。
  3. 不適切。本人または生計を一にする親族のために支払った医療費であれば、その医療費を要した親族の合計所得金額の多寡にかかわらず、また専従者給与を受けているかどうかに関係なく医療費控除の対象となります。
  4. [適切]。支払った医療費を補てんする保険金は、その給付の目的となった医療費の金額を限度に差し引きます。例えば、ケガによる入院と病気による入院があった場合、ケガでもらった保険金はケガに係る医療費からのみ控除し、病気でもらった保険金は病気に係る医療費から控除します。ケガによる保険金がケガに係る医療費より多くても、その差額を病気に係る医療費から控除する必要はありません。
したがって適切な記述は[4]です。