各種所得の内容(全46問中34問目)

No.34

居住者に係る所得税の不動産所得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2017年1月試験 問26
  1. 事業所得を生ずべき事業を営む個人事業主が、その事業に従事する従業員に寄宿舎を利用させることにより受け取る使用料は、受け取った年分における不動産所得の総収入金額に算入する。
  2. 個人事業主がテナントビルの賃貸時に保証金を受け取り、その20%相当額は条件を問わず返還しない旨の賃貸契約を賃借人と締結した場合、返還しない部分の金額については、当該賃貸が開始した年分における不動産所得の総収入金額に算入する。
  3. 個人が自らの土地に他人の建物を建設させるために借地権を設定し、その対価として当該土地の時価の2分の1を超える権利金を受け取ったことによる収入は、当該契約をした年分における不動産所得の総収入金額に算入する。
  4. 不動産所得を有する青色申告者が、生計を一にする配偶者に対し、納税地の所轄税務署長に届け出た金額の範囲内で給与の支払をした場合、当該不動産の貸付規模にかかわらず、支払った給与のうち適正な金額について、支払った年分における不動産所得の必要経費に算入することができる。

正解 2

問題難易度
肢16.1%
肢258.1%
肢318.6%
肢417.2%

解説

  1. 不適切。事業所得を生ずべき事業を営む者が、当該事業に従事している使用人に寄宿舎等を利用させることにより受ける使用料に係る所得は、事業所得に該当します。
  2. [適切]。敷金や保証金のうち返還を要しないものは、返還を要しないことが確定したときが収入計上時期となります。本肢の場合、賃貸契約で敷引きの約定があるので、賃貸を開始した年分の収入金額に計上します。
  3. 不適切。個人が借地権を設定したときに受け取る権利金は、原則として不動産所得に該当しますが、その権利金の額が土地の時価の2分の1を超える場合は、資産の譲渡があったとみなされて譲渡所得となります。
  4. 不適切。不動産所得で青色事業専従者給与を必要経費にできるのは、その貸付規模が「事業的規模」である場合に限られます。本肢は「貸付規模にかかわらず」としているので誤りです。
したがって適切な記述は[2]です。